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あマゾねすっ!  作者: 月見
7/17

第7話「プールとかにでも行きましょうか?」


 夏休み。

 それは学生にだけ許された長期型の連休のことである。

 ある者ではひと夏の思い出にと普段やらないことを成し遂げ、ある者は一つのことに打ち込み成果をあげたりしているのだろう。

 その夏休みも何もしなければ宝の持ち腐れだ。

 だが、何かをしていても例外は存在する。

 それが天音(こいつ)と居ることでもあった。


「というわけで、今からサウナとかどうかしら?」


 世間では猛暑日という中、天音がそんなことを言っていた。


「頭湧いてんの? こんなクソ暑い日に行きたくないよ」

「暑いからこそよ。逆にもっと暑いところに行って戻ってきたら涼しく感じられるんじゃないかしら?」

「……本音は?」

「こんな暑い中でサウナに行ったら沸騰しちゃうじゃない? ちょっとそれが気になるのよね」

「まあ沸騰はしないと思うけどね……あと、暑いところから戻ってきてもしばらくしたら結果暑いと思うよ」


 しかしこいつは暑い中でもよくこんなに元気でいられるものだ。

 わたしに関してはガッツリ夏バテしているというのに。


「まあよく考えたら聖奈は暑いの苦手だったわね。それならみんな集めてプールとかにでも行きましょうか?」

「あー、それならまあ悪くないかな」

「じゃあ早速他の人たちにも連絡しておくわね」


 そう言っていつもの面々に連絡をつける天音。

 こいつの行動力は時々うらやましいとも感じる。


「そう言えば大丈夫かしら」

「え? 何が?」

「だってこの作品が3回連続で投稿されるなんて作者が別の作品の話がまだ出来上がってないのと同義じゃない? そんなことあっていいのかしら?」

「今回はメタい話ないと思ってたのに……作者も夏バテしてるだけだよ。あとちゃんと話の本筋は考えてるっぽいよ」


~~


そして翌日。

待ち合わせ場所……といっても学校のプールの使用許可が下りたとか何とかで学校に集合していた。


「よく学校のなんて貸切状態でかりれたね……」

「丁度水泳部が合宿とかでいないってことらしいわよ。あと私と会長の成績あってのことっていうのもあるのかしら」

「ほんと成績がいいって得だね」


 そんな話をしていると、いつもの生徒会のメンバーや1年の少年少女たちも集合場所に来たことで、早速学校の更衣室へと向かった。


 更衣室に着くや否や、飛鳥先輩がおもむろに服を脱ぎ出した。

 そしてその下には装着済みの水着があらわになるのだった。


「飛鳥先輩、水着着てきたんですね。というか、スク水じゃなくていいんですか?」


 飛鳥先輩は学校指定のスク水ではなく、市販の水着を身に着けている。


「あら? 言ってなかったかしら? 貸切だから市販の水着でいいわよって」

「え? そんなこと書いてあったっけ?」


 スマホを開き、チャットを見返す。

 ……書いてあった。


「……うん。書いてあったね」

「大丈夫ですよ聖奈様! スク水の聖奈様も素敵です!」

「……いや、単純にスク水は子供っぽく見えるからわたしはあんまり好きじゃないんだけど」


 飛鳥先輩や天音のグラマーな姿を見てると少し劣等感を感じる。

 気にしたところであんまり意味がないんだけど。


「大丈夫よ聖奈。胸が大きいのも考え物ってテレビかなんかで言ってたわ」

「でかい奴はみんなそう言うんだよ」


 割かしどうでもいい会話をしつつ、プールサイドへと向かった。


~~


 プールサイドにはすでに男子3人の姿があった。

 どうやら準備運動を始めているようだ。


「紅谷先輩たちは早いですね」

「男子なんて脱いで下履けばいいだけだからな。それよりお前らも準備運動だけはやってから入るようにな」

「なんか生徒会室にいるときと違ってすごい張り切ってますね」

「聖奈ちゃんたちは運動してるときのモルの姿見たことないんだっけ? 基本的に運動のことになると真面目なのよ」

「そうなんですか」


 また生徒会メンバーの意外な一面を見た気がする。


「それにしても御門くんも来ているのは意外かも。前に運動は得意じゃないって言ってたし」

「僕は純が行くっていうからついてきただけですよ」

「ちなみに僕は天音さんい会えると聞いてきました!」

「ああ、うん。そんな気はしてたよ」


 準備運動を終えた面々は早速プールへと入っていくのであった。


「どうしたの? 天音」

「ねぇ聖奈、私の頭を踏んでくれる?」

「何言ってんのお前?」

「私溺れたことないからどんな感じなのかなって思ったのだけれど」

「それに好奇心持っちゃダメでしょ……自分以外にも迷惑掛かるし」

「確かにそうね。それじゃあ50mどっちが速く泳げるか競争かどちらかが泳げなくなるまでのデスマッチ水泳をでもしましょうか」

「50mの方で」


 この学校のプールは25mなのでターンして帰ってきた方が勝利となる。

 わたしと天音は飛び込み台に乗って構え、飛鳥先輩がスタートの合図をする。

 その合図とともに水面へと飛び込み、クロールで進んでゆく。

 結果、わたしが勝った。


「ま、負けたー!」

「ははは、でも結構気を抜くと置いてかれそうだね」

「これでも全力なのよ?」


 確かに天音はぜぇぜぇと呼吸をしながらしゃべっている。

 そう言えば水泳って天音は苦手な方だったっけ。


「苦手な部類でこれってわたし気が抜けないじゃん……」

「何か言ったかしら?」

「いや、なんでもない。ところでほかのみんなは何やってるのかな?」


 周りを見わたしてみる。

 紅谷先輩はどうやら御門くんと純くんに泳ぎ方を教えてもらっていうようで飛鳥先輩と後輩女子3人はプールで追いかけっこ……というより一方的に飛鳥先輩が追いかけているのを後輩女子3人が全力で逃げているところらしい。

 そんな楽しい時間はあっという間に過ぎて行く。


「やっぱり視力が悪いのも考え物ね」

「え? そう言えばメガネかけてなかったね……ずっとその状態で遊んでたの?」

「ええ。結構神経をそこに注ぐのも大変よ」

「ごめん。そこまで考えてなかった」

「いいのよ。それで楽しい時間が得られるのだから」


 もしかして天音が水泳が苦手な理由って視力が悪いからだったりするのかな?

 わたしは視力がいい方だから気にしたことなかったけど。


「ゴーグルつけて水中に入ればある程度視界は良好だからあんまり気にならないのだけどね」

「そうなんだ。じゃあ水泳が苦手な理由って他にあるの?」

「そうねぇ……身体の成長とかかしら」


 なんか心配して損した。


「あぁ!! 下着忘れたぁーーー!!!」


 近くでは下に水着を着てきた影響で下着を忘れるというベタな展開に出くわした飛鳥先輩の声が聞こえるのだった。


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