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あマゾねすっ!  作者: 月見
10/17

第10話「この作品に次回に続くほどのストーリー性なんてあったの?」


「………」


 いつも通りの放課後の生徒会室。

 そんな光景の中で正面に座っている天音は目を閉じて腕を組みながら何かを考えているようだった。

 多分かなりどうでもいいようなことだろうけど。


「……浮かばないのよ」

「何が?」


 わたしの問いかけに天音は目を開く。


「毎回のこの作品の茶番である冒頭が思い浮かばないのよ!!」

「そんなこと堂々と言うんじゃねぇ! ていうか毎回の冒頭でのメタ発言全部茶番だったの!?」

「よく見なくても茶番にしか見えなくないかしら?」


 まあ言われてみれば確かに……。

 いやそうじゃなくて!


「というか毎回この茶番ってなんで発生してるの?」

「それは作者が最近よく見る動画が冒頭に茶番してるからそれに引き寄せられてるんじゃないかしら」

「想像していたよりもどうでもいい理由だね……」


 そもそもこの話数で茶番のネタ切れって引き出し少なすぎじゃないかな。


「この茶番のないっていう茶番も特に話すことなくなったし、さっそく本編に入っていくわよ」

「それはそれで早いと思うんだけど……まあ、うん。始まります」

「ちなみに今回の話は明日の運動大会の話よ」

「なるほど、明日の……明日!?」


~~


 そして翌日。

 わたしの想像していたよりも急に運動大会の日が来てしまっていた。

 運動自体はかなり好きだからそれはいいんだけど、なんというかこう、心構えみたいなのができてなくてですね。

 などということを心の中で言い訳しながらわたしは司会席の一角に座っていた。

 司会席といっても運動大会に参加しないわけではなく、あくまで生徒会で仕切っている行事の一つであるためこの場に居合わせているだけである。


「さぁ今年も始まりました華神乃森学園運動大会。今回司会を務めさせていただくのは私こと有栖飛鳥を含めた生徒会メンバーでお送りいたします!」


 飛鳥先輩がそう宣言すると、ほぼ全校生徒が『うぉぉぉぉーーー』といった声を上げていた。

 さすがは校内で最高支持率を誇る我が校の生徒会長だ。


「それでは早速始めていきましょう! 最初の競技はこちら!」


 でかでかと用意された大型ディスプレイにはいくつかの競技が記されており、競技名がランダムで何度も点滅を繰り返していた。

 どうやらルーレット形式で種目を決め、その競技を行っていくようだった。

 ルーレットは徐々にゆっくり点滅を繰り返し、最初の種目が決まったようだ。


「最初の種目は……『突撃! 〇×クイズ』だー!!」

「突撃〇×クイズ!?」


 運動じゃないの!?

 めっちゃバラエティ番組のノリだよこれ!!


「ルールは簡単! スタートしたら問題が出ますので、進行方向にある〇と×の書いてある台に全力で走っていただき、正解だと思うほうに乗っていただきます。成功した方々は次の問の〇×台へと走っていただき、失敗した方は台の下にある水に真っ逆さまとなり失格となります。また、時間内に〇×台に到達できなかった方々も同時に失格となりますので気を付けてください!」


 なるほど、頭を使うただの〇×ゲームではなく、体力も使わないといけないのか。

 ルールを把握したところで、生徒たちはスタートラインへと立つ。

 ちなみにこの運動大会はクラス対抗戦となるが、生徒会だけは別組となる。

 そのため生徒会から選手を選出するが、基本的には2名ずつローテーションで行う形となるらしい。

 みんなで順番を決め、結果は 天音→御門君→わたし→飛鳥先輩→紅谷先輩 という順となったため、天音と御門君はスタートラインへと向かっていった。


「それでは『突撃! 〇×クイズ』のスタートです! よーい……」


 パンッ! という音が飛鳥先輩が掲げた空砲が鳴らされ、生徒たちは一目散に〇×台へと向かってゆく。

 そして第一問が発表された。


「第一問! 『俺の筋肉は伊達じゃねぇ』というのが紅谷盛雄の格言ですが」

「初めて聞いたよ!?」

「紅谷盛雄が普段愛用しているプロテインの味はバニラ味である。〇か×か」


 問題の難易度が高い!!

 このクイズ身内とかしかわからなくないか!?

 そう思っていたが、生徒たちはそれぞれ正解だと思うほうの〇×台へと向かっていった。

 〇×台は早い段階で仕切りがあるため、〇から×、あるいはその逆に変えることはできない仕組みとなっているようだ。

 だが生徒たちの3分の2くらいはそれをお構いなしに〇のほうへと向かっていった。

 そして時間切れとなり、結果が発表される。


「正解は……『〇』でした!!」


 結果発表と同時に、不正解の生徒たちの床が開き、水辺へと真っ逆さまになっていた。


「ちなみに本人曰くシンプルイズベストってことらしいです」

「筋肉も基礎ができていないと作られないからな」


 わたしもわからなかった部類なんだけど……ていうかなんで3分の2の生徒そんなこと知ってんの!?

 そしてちゃんと天音たちは残ってるし……。


「それでは第二問!」


 そして『突撃! 〇×クイズ』は第五問で終了となり、残った参加者は全体の2割ほどだった。

 天音と御門君も全問正解したようで何とかずぶぬれにならずに帰ってきていた。

 それにしても出題される問題が生徒会関連とかマニアックなものばかりだったけど、なんでほかの生徒たち正解できたんだろう。


「それでは残った生徒の集計をしたいと思います! 今回のポイントはクラスごとの残った人×5で計算されます。生徒会メンバーは人数の関係で残った人数×30で計算することになります!」


 今回は生徒会メンバーの参加者はどちらも生還していることから60ポイントが加算されていた。

 そのこともあり、現状ではトップの状態で続く2位は50ポイントとなかなか接戦となっているようだった。


「おっと、これは接戦となる予感……天音さん、一試合終えた感想はどうでしょうか」

「まだまだ気が抜けないですね。ですが、ここでポイントが獲得できなかったクラスも次に生かして欲しいと思うわ」

「それではどんどん次へまいりましょう。次の競技は……」


 また大型ディスプレイのルーレットが動き出す。

 次の競技の結果は……


「ルーレットが回っているけど、次回へ続くわよ」

「え? この作品に次回に続くほどのストーリー性なんてあったの?」


 わたしのそばでそう発言した天音に反射的にそう返していた。

 というわけで続きは次回。


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