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頑張れ田中くん!  作者: エロゆうや先生
クラスメイトのガチホモ坊主がくそえっちサキュバスに転生したので、何も問題なくなった件
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クラスメイトのガチホモ坊主がくそえっちサキュバスに転生したので、何も問題なくなった件

前回、くそエッチで可愛いサキュバスに助けられた田中くん

これは異世界でサキュバスとのドキドキ展開????

走り出せ、俺の青春!!!!!


本物のサキュバスを前にして、またお得意のコミュ障を発揮してしまう。

「あっ、あっっあの、助けくれてありがとうございます」

「…………。」

サキュバスはなかなかしゃべり出さない。

「…………か?」

え?????

うまく聞き取れなかった。

「………たつお……………か?」

??????!!!!!!

なんで、俺の名前を知ってるの???この世界では俺はただのオークなのに

「…………なんで、俺の名を…………」

「俺だよ、………としまさ………。わかるか?」

?????その名は!!!!忘れもしない。あの遠足の班分けで同じになったガチホモ坊主。俺に何かと無言の視線を送ってきたり、登校途中謎の絡みをしてきたアイツ!!!

だが、サキュバスの正体を知った俺の頭は、混乱していた。このエッチな美少女の中身はゴリゴリのガチホモ男なのか。いや……………、だが、ガチホモの見た目が、美少女になれば、何も問題がないのではないか……………??

だが、俺のかろうじて人間だった頃に持っていた理性が俺を制止していた。

こいつの中身はただの男なんだぞ!!!!!


「…………、間に合ってよかった」

サキュバス「としまさ」が心から安心したようにつぶやく。

「俺のユニークスキル、『セディキュレーター』(幻惑術)でエルフたちは眠らせておいたわ」

お、おう…。ユ、ユニークスキル???

俺は首をかしげる。

「あなたも持っているはずよ.......、まだ気づいてないだけ.......」

「ところで、君はどこまで覚えているのかしら」

ん?それは、この世界に転生してオークになるまでの記憶ってことか?

「遠足でUSJに行く途中のバスに乗ってて、そしたらバスが山道の崖から落っこちて........。」

「そこまで、把握出来ているならよかった。話が早いわ。

あのバスに乗っていた人達のうち少なくとも何人かは、この世界に来ているわ」

「その時、みんな何かしらの種族に属し、ユニークスキルを獲得しているの」

それで俺の場合はオーク族だったのか。



俺のユニークスキルはいったい何なんだろう。

ひょっとして.......。

俺が、遠くの滝を見つけられたり高速で飛んできた矢を避けられたりしたのって、特殊能力なのか.....??


そのことを話すと、としまさは大きく頷いた。

「そうだね、それはユニークスキル『センス エクステンション』(強化感覚)だ」

「感覚が強化され、常人の何倍もの視力、嗅覚、聴力等が得られる」


まだついていくことのできない俺を横目に、としまさは話を続ける。

「君がエルフに追われた時に、おかしな軌道を描く矢を放ってくるものがいただろ。あれもユニークスキルの1つだ。あれは「エターナル チェイサー」(久遠の追跡者)のスキルだ。あの矢は一度、標的に向かって放たれたら命中するまで何度でも追跡してくる。矢を破壊しない限り、あの矢から逃れる術はない。」

つ………強い。そんなの、最強じゃないか。

てか、待てよ。俺のユニークスキルって弱すぎひん?いくら、聞こえたり、見えたりしても、敵と戦う手段がないじゃないか!

「まぁ、あのエルフにも君が見つからないことを祈るよ」


……………。俺もそう願いたいです。


ふと、俺がエルフに捕まった時のことを思い出す。あのエルフの集団はきっと今もどこかで、ああして他のオークたちを捕まえて、街に売りに出しに行っているのだろう。あの特殊な矢を放つ女エルフがあの集団のリーダーなのだろうか。あの女、香水くさかったなぁ……………なんて、ぼんやりと回想にふけっていると、ふと思い出す。

「……………あの香水の匂い、遠足の同じ班だったギャル女の奴と一緒だ…………。」

「ほぅ、それは面白い………。」

「さっき、俺と同じクラスの奴が何人か、この世界に転生していると言ってたよなぁ?」

「あぁ。理由は今は言わないが、それはほぼ間違いないだろう」

「じゃあ、あのギャル女がもしかして……………。」

「あのユニークスキル『The チェイサー』を持つ女エルフだろう。奴は危険だ。君のユニークスキルでは奴に敵うわけがない。おとなしく、関わらないようにして生きていくことだ。」


「だが、よりにもよって、山本まこがあの弓矢使いになるとは、とんだ災難だな」

???山本まこというのはあのギャル女のことだろうか。クラスメイトの人間の名前は同じ班員ですら把握しきれていなかった。

「あぁ、そうだ。君のようなオーク族はこの世界では問答無用で捕まり、虐げられている。君が使いこなせるかどうかは知らないが、護身用にこれを渡しておくよ。ないよりはましだろう。」

そう言うと、彼女(彼?)は懐から細身の刀を取り出した。俺は、戸惑いながらもその刀を受け取る。

「お、おう…………。」

刀を受け取った俺はしどろもどろになりながらも、試しに鞘から刀を抜いた。

暗闇の中でもわかるくらい刀身は光輝いていて、よく研ぎ澄まされている。それに何より、そんな刀など一度も持ったことのない俺でも使いこなせそうと思うくらいに、刀全体が軽い

「あ、ありがとう…………。」

「じゃあ、俺は用件が済んだことだし、行くわ」

そう言った彼女は、俺の手元にあった刀を借りて、荷馬車と馬の間の金具を真っ二つにし、即座に馬にまたがって行ってしまった。

俺は咄嗟の出来事に唖然としていた。その場に捨てられたように置かれた刀とぽつんと取り残された荷馬車しかなかった。

え?俺は結局どうすればいいわけ?????助けられても、この世界では追われる身でしかないってことでしょ?

俺を置いてかないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!

………………、てか、さっきのサキュバス、めっちゃ可愛かったなぁ…………。


また一人にされてしまった田中くん

異世界でサキュバスとアツアツ展開のはずだったのに………………。

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