第三回イベントを迎えるにあたって
霊体化。一時間霊体でいられるという使い方が正しければ壊れるであろうスキル。対人戦だとこれは壊れているだろう。だって相手の物理攻撃は受けないのだから。
騎士相手なら一時間耐久されない限り死ぬことはないという事実。このスキル、有能すぎるだろ……。
その代わり二十四時間というクールタイムの長さ。これは奥の手としてとっておくべきのものだろうな。
「ふあーあ……。私ホームに戻ってていいですかぁ……。眠いですぅ」
「あ、う、うん。鍛冶場の手入れでもしておいて」
「了解ですぅ」
ふらふらとした足取りでサンは帰っていった。
「あ、そういえばなんですけど」
「うん?」
「近々、イベントがあるらしいですよ?」
なんだと!?
私のリサーチ不足何だけどいつもいつも知らないうちにイベントがやってくる。
今回のイベントはギルド戦。
武闘会というものを王国がするという設定でプレイヤーは好きに参加してくれということだ。もちろん生産職の仕事もある。生産職はアイテムコンテストがあるらしい。自分の作ったアイテムを装飾と実用性の主な二つの観点から見るらしい。
もちろん私もイベントには参加するようにしている。
「ったく、準備もあまり進んでないよ……」
「私たちはとっくに知ってたし準備してるぞ」
「うん。ボクとエルルゥでペア組んで参加するつもりなんだ」
へえ。ペア参加もあるのか。
「……知らないようだから説明するけど今回のイベントはタイマン、ペアバトル、ギルドバトルの三種類があるんだよ」
「そうなんだ」
じゃあ私は何で出ようかなー……。
ペアっていっても組む人は少なそうだしな。チリンくらいしか今のところ候補がいない。ユキショウグンは回復役だから後衛だし後衛だけで組むのも火力にかける……。いや、火力はあるけど相手が超魔法防御高かったら詰む。
なら近衛の戦士か騎士か武闘家の三択になるんだけど……。エルルゥ、チリンしか当てはまらないし、エルルゥはもう組んでるからチリンしかいないわけで。
ふむ。どうするべきか……。
「チリン一緒に出る?」
「いいよ?」
即答か!
少しは悩む素振りも……いや、こういう時チリンは悩まないな。昔からそういうやつだったしね。私といつもペアになってくれたんだっけ。
「それじゃあ、俺はジャンヌと組む」
「私とか!? 兄貴が一緒なのはちょっと恥ずかしいんだが!?」
「……しょうがないのでユキs「ユキショウグンの兄貴! 私と組みましょう!」……邪魔すんなおい」
第三回イベント……つい先日二回目が行われたと思ったがこの日にちはランダムなのだろうか。
開催は一週間後らしいし、それぞれ特訓に赴くとしようかね。
次から第三回イベントですかねぇ