二人加入!ロックとみるきー
呪いの館から脱出し、翌日。
私たちは第一層エリアに足を運んでいた。勧誘のためだ。
ゴーストが出るにあたって唯一対抗できる私は勝手に恐慌状態に陥ってしまって使い物にならないため幽霊が平気な魔法使いを探すらしい。
二人ほど入れるとか。
「はい、さくっと見つけてきたよ」
「早いね……」
連れてきたのは身長二メートルはあるんじゃないかという巨躯な男性と、それと真反対でものすごく背が小さい女の子。小学生くらいだろうか。
お、親子……な、わけないもんね。
「と、とりあえず自己紹介でも」
「ま、まじゅは私行きますね! わ、わ、私の名前は……水鏡 ミキです!」
ほ、本名!?
「ほ、本名じゃなくてゲームの名前を……」
「えっ、みるきーです……」
本名晒しちゃってしまいましたね。うーん。忘れておくようにしよう。
「そちらは?」
「俺はロック。魔導士だ」
そのなりで魔導士か……。
拳にはメリケンサック、頭は丸坊主。とても魔導士とは思えない風貌をしているんだけども。つっこむところなの? これ。
「ロック? その名前ってうちの兄さんのプレイヤーネームと同じ名前だな!」
「む、お前も見たことがあるな! というか、毎日見てる気がするぞ!」
ジャンヌがロックを見てそういった。
いやいや、あの、ジャンヌさん? もしかしてこの人あなたのお兄さんなんですか!?
「ジャンヌ。このゲームは同姓同名はできないよ」
チリンがそう言うと、はっという顔をした。
「もしかして……兄貴かあ! なんでこんなところにいるんだよ! てか、私のミキ様には近づかないでね!」
「お前こそ何してんだよ。また人様に迷惑かけてねえよな?」
リアル兄妹かよ!
いや、私も人のこと言えないけどさ……。
「む、あの兄妹仲いいね。お姉ちゃん、私とお姉ちゃんの仲を見せつけてやろうよ!」
「お姉さま! 私との絆をお見せしましょうよ!}
「あ?」
「あん?」
こっちは険悪な雰囲気だよ……。
ジャンヌさん高身長だと思ったけど兄さんも高身長なのか……。私なんて身長低いし貧乳だし惨めな思いしかしてないのにいいな。羨ましいな。
「お、お姉ちゃん助けてえ!」
「はぁ。やっぱりお前だったか。ほら、泣くな。お姉ちゃんがゲームやってるの見てやりたくなったのか? 可愛い妹だな!」
ええええ!?
ミキちゃんエルルゥの妹なの!?
なにこの兄妹率!?
十一人のうち六人が兄妹ってなんだこれ!? 狭すぎやしないか!?
「ぼ、ボクも弟誘ったほうがいいのかな?」
「私姉さん誘ってきますねー!」
「弟かやりたがらなさそうだしいいや」
「妹はこれやらないなぁー。私と違っておしゃれだしぃー」
「もしかして私だけが一人っ子なの!?」
どうやらそうみたいですね。
一人っ子はチリンだけのようです。もうギルド名兄妹とかにしておけばいいんじゃないかな。だって過半数が兄妹だしさぁ……。
作者とうとう時間間隔がおかしくなってます。
丸一日自分の中で時間がずれてました。執筆しているのは六月七日ですが、六日だと思ってました。
ボケてきたかな……。まだ二十もいってないんだけどな。