館の主人の謎 ①
ジャンヌダルクと話しているとようやく他のみんながきた。
遅い。何していたのか聞いてみると下で新たなプレイヤーがきたから話していたとのこと。そして、そのプレイヤーときたってことらしい。
「ジャンヌぅ。お前ここにいたのかよ」
「ここに運ばれたらしい。装備つけていないのは呪いのせいだ」
「そうかい。俺は体力を10まで減らされていたぜ」
この二人はどうやら知り合いらしい。
「さて、あの幽霊は呪いの館っつってたか。まず探索しようぜジャンヌ。あと、他の人たちも」
「あー、僕たち結構前に来たから探索は大方終わらせてるんだけど」
「マジか!? ずっとここにいたのかよ」
「ああ。それで今は館の秘密その二を探している。よければ君たちも手を貸してくれないだろうか」
「その二……? いや、いいけどよ。その二ってことはその一は絶対にあるってことだろ? そっちは探さないのか?」
「それはすでにもってるんだなぁ」
そう。あとはその二だけ。
その二が見つかっていないからまだ出れていないわけなんだけど。でも、もう少しで現実の時間が5時を指す。ログアウトして夕飯を作らないといけないんだけど。
「うぉたぁ。夕食どうする?」
「コンビニでいい」
「了解」
ということで続行します。
私も早くこんな不気味なところから出たいしね……。
「んじゃ、手分けして探すぞ!」
「ミキの見立てじゃこの階にあるらしいからこの階を重点的に頼むな!」
「任せておけ! ふははは! ミキ様のお役に立てるチャンス!」
「ゆ、ゆれっ、ゆれるぅ!」
頭にのっからせてもらっていた私は必死に髪の毛につかまる。
先走りすぎたって! 頭に私乗ってることも考えて走って頂戴よ!
ジャンヌが先走り、ついたのはどこか知らない部屋。
食堂のようだ。隣には厨房があってキッチンがある。コンロは魔道具、冷蔵庫も魔道具で魔力を流せば今でも使用可能とのことだ。
冷蔵庫には食材も入っていて、瑞々しくないトマトや腐った鶏肉がある。
この冷蔵庫は閉じておこう。
あとは電子レンジと思われるもの。
ふむ、中には何もない。というか、これは故障中って書いてあるなあ。使えないんだろう。
「ミキ様! あ、ああ、あの! ちょっと食堂に不思議なものがあ、あったのですが」
「不思議なもの? ゆ、幽霊関係だったらダメだよ!」
「いや、違うんですけど。これです」
と見せてきたのは掬うところだけ黒くなったスプーンとスープの皿であろう変色した鉄色の皿。これがどうしたっていうのか。
長年使ってさびただけ……。いや、錆びるなら黒くならない?
「この鉄、もしかして……」
この鉄の正体がこの黒くなっているってことを証明する。
んだけど、それと同時に嫌な事実も浮かんでくるのだ。
これって、サスペンスだっけ? っていうほどに。