名無しの女騎士ジャンヌダルク
題名違いますがまだ呪いの館の中です。
二階へ来たはいいんだけどなぜだれもこないのだろう。
新手のいじめなんだろうか。
「……一人で捜索できないよ? こうも遅いとテンション下がるし怖いし……」
そうつぶやいているときだった。
「くっころーーーー!」
……え?
今なんかの叫び声が聞こえたような気がする。くっころ? なにそれ。北海道の湖の名前か何か? 北海道って倶知安とかわかりにくいやつたくさんあるしそれの類?
すると、突然ドアが開き、中から女性が出てきた。
女性はジーパンTシャツという格好をしていた。
「うぐぅ……! あのお化けにさらわれて装備装着不可能だと……! なかなか燃えるな! ……ん?」
「あ、どうも」
「ねねねねね、猫ぉ~!」
と、私を豪快に持ち上げる。
「よしよし、大丈夫か? こんなところにいて。あのお化けさんに呪いかけられるぞ?」
と、笑顔で撫でまわしてくる。
「いや、呪いかかった姿がこれだし……」
「なんと! もしかしなくても貴方はプレイヤーでは?!」
「あ、まあ、そうですけど」
「やはりな! 名前はなんていうんだ?」
「ミキです」
名前を言うと、頭を撫でている手が止まった。
「ミキって、あの、ミキか?」
「どのミキを指してるかはわかりませんがたぶんそのミキです」
「せ、精霊王のか!?」
「精霊王ですね」
そういうと、女の人はとびあがった。
「ついに憧れのミキ様と接触! 我は女騎士ジャンヌダルク! 騎士の道を歩むものなり!」
ジャンヌダルクって……。15世紀のフランスの軍人でフランスの国民的ヒロイン……。カトリック教会における聖女でオルレアンの乙女と呼ばれているあのジャンヌダルク?
ジャンヌダルクってソシャゲでもよくでるよねえ。
「騎士の誇りは主を守ること! どうかミキ様を守らせてはくれませんか」
えっ、ええ……。
いきなり言われても困るんだけどなあ。というかこの人絶対ジャンヌダルクってウィキで調べただけの人だろ。私もそうだけど。
というかいいのだろうか。ジャンヌダルクさん鑑定してみたらレベル40という高さ。私と同じ……。
この人くらいになるともうギルド入ってそうだけれども。
「ギルドとかいいの?」
「いいのですよ! 騎士の本望はつかえるべき主に仕えること! さあ! 我が主となってくださいませ!」
「いや、私は主とかそういう器じゃないし……」
「どんどん私を盾にしてくれてもいい! 使えなかったら殴るなりしてストレスを発散してくれても構いません! むしろどんとこい!」
なにかいけないものの片鱗のような単語が聞こえたような気がする。
もしかして……。
「あの、間違ってたら悪いんですけど貴方って掲示板で名無しの女騎士って名前で……」
「それ私ですね! 精霊王さん! 見てくれてたんですか!」
この人ドMなんですねえ!あの女騎士ですからねえ!
「どうです! 私ドMなのでいい盾になれますよ! だって自分から向かっていきますからね!」
ドMって究極的に強いと思うんだ。痛みすら快楽にするってどうかと思うの。
「あ、ああ。ま、まあいいよ。拒否する理由はないからね……」
「やりました! では早速お供いたします!」
なんでこううちって厄介な人しか入らないんだろうねえ。
作者は北海道人なので北海道の市町村ならちょっとは読めます。
長万部
留寿都
寿都
妹背牛
占冠
これらなんて読むかわかりますか?
作者はこれらはわかりますがわからないやつもありますね。