呪いの館 ⑥
数分後ルルークが来てくれて、私もようやく捜査できるようにはなった。ルルークの胸元におさまりながら。
歩かなくていいしなにより一緒にいるという実感がわいて少しは和らぐのだ。
そして何よりルルークは振動が少ない。快適やでぇ……!
「ふにゃあ~……」
頭を撫でられながら捜索していた。
気持ちよくて鳴いてしまう。
「うーん。なんもないみたいだね。次行こうか」
「……ん?」
この部屋、なんか違和感あるな。
私がいた部屋とどこーか違うっつーか、なにか、変な感じ。どこかが違う。
私がいた部屋のインテリアと他のみんながいたインテリアも同じだったということで客室はすべて同じだと思ったけどなんか違う。
いや、あの古い木の壁とか、あのいかにも骨董品でーすというような壺。あれも同じ。畳もあって和をイメージしている。なんで和の文化があるのかはおいておいて。
違和感……?
「ルルーク! 隣の客室とこの客室見比べてみて!」
「え? わかった」
さあ、間違い探しだ……!
後ろにはルルークという人がいて安心さ! 手を繋いでたら多少は耐えれるもんね! いや、本当に多少だけど……まじもんの幽霊なら手をつないだどころじゃ無理だけど……。
「見比べてるけどたいして違いはないような気がする」
「いや、あるんだよ。私はちょっと違和感を感じた。何かあるよ、ここに」
私はこういう者を引き寄せる才能でももっているらしい。
「とはいっても……あれ?」
ルルークは見つけたらしい。
「あそこだ。あの壁。あの壁だけ若干だけど色が薄いよ!」
なるほど! 違和感は色が薄い壁か!
たしかに遠めじゃわからない。近くに行ってもわからないほどに元の壁の色に近づいている。この壁をどうにかしたらいいってわけだね!
「どいてて! 小エクスプロージョン!」
魔法を唱え小さな爆発を起こし壁をぶち破る。
その壁は脆くできており、すぐに中身を取り出せた。
「えーっと、これは……猫と犬の生態について?」
タダの図鑑やないかい!
「あとは一つ、この館の秘密その三って書いてあるね」
その三……? つまり、この屋敷にはあと一と二は確実にあるっていうことか!
なるほど……! 脱出したければこの屋敷の謎を解いてみろということだね。ふんふん。よし来た私の得意分野! って言いたいけどさ、ここお化け屋敷みたいなものだし頭回らなさそう……。
この屋敷の秘密ってどこかの大富豪が死んで娯楽がほしいから適当に呪いかけて楽しむとかそういう目的なんじゃないの? というかそうであってほしいな。私考えないで済むから……。
というか、その四とかない、よね? 全何巻なのそれ。たくさんあったらたくさん探すんでしょう? 嫌だよそれ。この屋敷をうろちょろしたくないわ。
というわけであとお願いしますね。ルルーク様。私は目を閉じます……。
嫌なものからシャットアウトっと。
いっそ名前をアナザーエデン〜時空を超える猫〜にするかな。それも怒られるな…