ゴミ掃除の手伝い人
本日は二話更新です
拾っても拾ってもゴミは減らない。
汚い、臭い、困るの3Kが揃っている曰く付きの場所。イベントでなければ進んで受けたくはなかったゴミ拾い。
なんか精神が……。
その時だった。
ぴちゃん、ぴちゃんと前から音が聞こえる。
誰か来たのだろうか。暗くてよく見えない。精霊魔法で照らしてみると、一人の男性がこちらに近づいてきている様子だった。
「君こんなところでなにしてるの?」
「あ、ゴミ拾いをしてます」
見たらわかるよね……。
というかこの男性めちゃくちゃかっこいい! まるで物語に登場する王子様のようなイケメン。女子はイケメンに弱い。私も例外じゃない。かっこいい人は好きだよ。
男らしいというより中性的な感じ。白馬の王子様みたいな感じ。今の私にとっては王子様になりうる存在かもしれない。
「……なにかのイベント?」
「そうなんですう。ここ綺麗にしないとダメなイベントでして……」
「大変そうだね。私手伝おうか」
「いいんですか!?」
「構わないよ。でもちょっと待ってくれるかな。入り口で私のパーティーメンバーを待機させているんだ」
「はい! 待ってますのでお願いしますね!!」
やった! 人手増える! 一人より二人だよ!
この膨大な数のごみを一人で処理するのは無理! 終わる前に心折られるからね! 実際私は折れかけていたし、さっきの人の言葉は私にとってありがたき存在!
早く終わらせて限定クエスト終了させたいよ! 本当にふざけないでね! こういうのって駄目だから! ダメだから!
さっきのイケメンを待ちつつ私はひたすら手を動かす。
ぴちゃり、ぴちゃり。
さっきの人だろうか。
水道の入り口は此処から少し遠いはずなのにもう来る……わけないんじゃないかなあ。引き返してきたとかそんな感じじゃないよね?
ぴちゃり、ぴちゃり。
ぴちゃり、ぴちゃり。
なんか音増えてね?
「待っててっていっただろー」
「ごめん……。その、エルルゥが心配だったんだ……。ボクがいったほうがよかったんじゃないかって」
「気にするな。先にいたのはプレイヤーだったからさ。おーい。来たよー!」
大きな声が水道内に響き渡る。
私も答えるように大きな声でいらっしゃーいといってあげると、水の音がこちらに近づいてくる。
さっきのイケメンに、可愛い女子……?
ええ、もしかして彼女!? 彼女いたの!? そ、そりゃいるよね! イケメンだから一人や二人いるよね! いや、二人いたらまずいけどね!
「は、初めまして! ボクは魔人で狩人をしておりますルルークでひゅっ!」
噛んだ。
「私は人間で騎士をしているエルルゥ。よろしくね」
「あ、私は……ミキです。よろしくお願いします」
握手を求めているらしく手を差し出してきたので私も手を差し出す。
わあ、男の人の手はなんだか固い……あれっ、なんか違和感が。ごつごつしたような手じゃなくてすべすべしてて柔らかい?
……見てみるとなんか、全体的にモチモチしてる。
それに、少し胸の部分に膨らみがあるようなないような……。えっ、もしかしてこの人って……。
「……失礼なことを聞くんですが、貴方って……女性ですか?」
「そうだけど? え、もしかして君も私の事男性だと思ってたの!?」
やっぱり!?
やっぱり女子だったんだ! 見た目詐欺! なんでイケメンなのに女子なんだよ! 違うでしょ!?
じゃ、じゃあもしかしてそっちの森ガール的な雰囲気を放つ女子って……。
「え、じゃあそっちの人は男の子だったり……なんて」
ま、まあそんなことはないよね?
「……えっ、ぼ、ボクの性別わかるの!?」
「……は?」
「初めてだよ! ボクを女性と間違えなかった人! わあ! 嬉しいなあ!」
手を強く握られて上下と激しく振られる。
……まじかよ。性別普通逆だろ……。こんな男の子……もとい、男の娘と王子様系女子。はあああ!? 私のトキメキを返してもらおうか! ときめいちゃっただろー!
「よければフレンドになってよ!! ずっと仲良くしたい!!!」
《ルルークからフレンド申請が来ました。承認しますか? はい/いいえ》
はいを選ぶ。
「私もいいか?」
「あ、はい。大丈夫ですよ」
《エルルゥからフレンド申請が来ました。承認しますか? はい/いいえ》
はい。
掲示板回いれようとおもったんです。なのにエルルゥとルルークがしゃしゃりでてきただけなんです。
あとチリン出てきてない……! おい、チリンでてこいや。早くこいや! タラタラしてんじゃねぇ~よ!