呪いの館 ②
私がネコになって思ったんだけど今の私ってケット・シーだよねこれ。
運営サイドもこれを狙って猫にしたんだろうか。いや、ランダムだしそれはないよね。
ケット・シーになった私は……なんで猫受け入れてるんだろう。これは呪いで操作がしづらいというのが難点だ。人間の形で慣れてるから四足歩行しにくいぞ。
これになれたら現実でも四足歩行に慣れてるのかな?
とりあえず歩くの疲れたし浮くか。飛行。
暗い屋敷をふよふよと浮いていると光が漏れている部屋があった。中から女性の声が聞こえる。ユキショウグンではないことはたしかだね。男だし。
あとはルルークも抜いていいはずなんだけどルルークはもろ女声だからなあ……。
と、とりあえず部屋に入ってみよう。
「あれ、猫? なんでこんなところに」
どうやら知らない女の人だったみたいだ。
この顔誰かに似ているような気もするけど気のせいだろう。
「猫さーん。俺の話聞いてくれよー」
「……もしかしてユキショウグン?」
「え? その声ミキさん? でもどこから」
この女性ユキショウグンかよ!?
もしかしてユキショウグンの呪いは性転換!? 女性になっちゃうってことなの!?
……それにしても胸デカいな。もともと女子である私よりでかいとはけしからんな。いや、これっぽっちも気にしてないけどね?
「私は猫になったんだよ」
「と、ということはこの猫さんがミキさん?」
「そうだよー」
この可愛いネコさんこそミキさんなのだ!
いや、まあ、自分の姿確認してないけどね。耳と尻尾が猫っぽかったから猫と判断したわけでまだ品種わかってない。個人的にはマンチカン以外ならまあいいかな。スフィンクスも嫌だ。三毛猫がいいな。
「そうだったんだ……。見ての通り俺は呪いで女性になってしまって……その、リアルに再現しすぎというか、その、おっぱいがですね」
「その相談は受け付けないよ。だって胸が大きい人の悩みなんて私には無縁だもん」
私の周りの人はそれなりにあるのに私だけ絶壁なのはどう思うよ。
「え、えっと、笑えばいいんですか?」
「今のは普通に笑ってもいいよ……自虐ネタでもないし事実だし」
だからそんな気を使わないでも……。
「でもユキショウグンと出会えてよかったよ。私一人だともう限界」
ここまでは妄想に浸ったりなどして凌いできたが限界が近い。いやでも意識してしまう。だからユキショウグンに抱っこされて移動してもらう。楽だしユキショウグンも私のモフモフで癒される。一石二鳥でしょ?
ユキショウグンに抱っこされて、私たちは先に進む。
いや、いいんだけど歩いているとどうもおっぱいがね。鉄の鎧ではなく普通の布生地の服だから揺れるおっぱいが私に当たる。
気にしてないと言えどもちょっと傷つくな……。
「それにしてもミキさんもふもふですね。ちょっと撫でさせてもらってもよろしいですか?」
「いいけど」
と許可すると頭に腕がのっかる。
なにこれ。超気持ちいい。猫ってこんな気持ちいことを……。癖になりそう。
「現実では猫アレルギーなんで近づけないんですよ。ここでは触れるので猫がいたら触ろうかと思ってたんですがちょうどいいところにミキさんがあらわれてよかったです」
アレルギーとか可哀想……。
あ、そうこうしているうちに光っている部屋発見。
「あそこ光ってるから入ってみようか」
怖い話第二話目。多分最後?
これは友達の友達…Aくんとしておきましょう。Aくんに起きた話です。
Aくんは暇を持て余しており夜外に出て散歩をしていました。
病院の前を通る時病院の方を見ると子どもが手を振ってきていたそうでAくんも手を振り返したそうです。Aくんはこの時入院してる患者かと思っていたそうですが帰って母に言ったところこんな答えが返ってきました。
「あそこの病院は子どもは入院できないんだよ」と。
あの手を振ってきた子どもは、一体誰なんでしょうか…。