表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
二人の結婚生活
855/856

生命の誕生

 九月。俺はいつものように創介さんを車で送っていると携帯に電話が入る。

 すみませんといって路肩により、電話に出た。創介さんは急いでる用事じゃないので優しくいいよと言ってくれる。

 

「はい」

「こちら城ケ崎 満さんの携帯で間違いないでしょうか」

「そうですが…」

「何と奥様が…」


 美咲がどうしたんだろう。

 一抹の不安が俺の脳内をよぎる。


「もうすぐ赤ちゃんを産みそうで…」

「い、いい、今行きます!」


 俺は携帯を切る。


「すいません、社長。俺の奥さんが出産しそうで…。目的地までついたら休みをもらってもいいでしょうか」

「ん? ならタクシーを使うぞ。もうこのまま行ってもいい」


 と、社長が下りようとする。


「い、いえ! きちんと送り届けて…」

「気にするな。子供が生まれるんだろう? 立ち会うのもパパの務めだぞ」


 と、笑って車を降りたのだった。

 俺はありがとうございますとお礼を言ってすぐに美咲が通っていた産婦人科がある病院に向かうのだった。

 



 ☆ ★ ☆ ★




 う、生まれるっ…。

 痛い痛い痛い痛いいいいい! この痛みは嫌だよォ! なんていうか、すごく痛い。うちのお母さんもこんな痛みを味わったんだね…。ゲームでもこんな痛みはなかったよォ。

 いじめられた時も暴力は振るわれたがその比じゃない。


「もうすぐで生まれますよ!」

「双子だもんなぁ…。こういうのって普通帝王切開じゃ…」

「奥様の場合は自然分娩でもいいくらい経過がよかったんですよ。それと旦那様が到着したようですが見守ってもらいますか?」

「どうせなら立ち会ってもらおう」


 痛い。

 すると、一人目が生まれたようで、すぐに鳴き声が聞こえる。双子なのでまだ陣痛が…。


「美咲!」


 仕事着姿のまま満は中に入ってくる。

 私は親指を立てて大丈夫ということを示す。そして、まだ陣痛があり、今度は二人目だ。私はまた鉄の棒を握る。

 この痛みは満にはわからないだろう。理解してもらえなくてもいい。


「満、手を貸して」

「え? お、おう…」


 満は手を出してくる。私は満の手を握る。


「強く握るかもしれない。痛かったらごめん」

「気にするな。陣痛はそれほど痛いんだろう? 俺は男だから痛みなんてわからないけどさ、痛いっていうことは聞いてる。安心して握ってよ。ここは病院だから握りつぶされても治してもらえるさ」

「そんな強い口で言って…。ありがと」


 私は満に微笑んだ。

 そして、私は満の手を握る。すると、陣痛が止み、そして鳴き声が聞こえてくる。


「どちらも生まれました! 元気な男の子と女の子ですよ!」

「か、勝った…」


 も、燃え尽きたぜ…。真っ白にな…。

 痛みから解放された。


「お疲れ、美咲」

「ありがとさん…」


 あーもう疲れたぁ。
















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] おめでとうーー!!☆*:.。.o(≧▽≦)o.。.:*☆ [一言] 更新乙です! この瞬間、私も歳の離れた妹が居るので解りますが、凄く嬉しいんですよね~ 夜中に起こされて呼び出された…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ