真綾のSNS
私はモデル仲間と練習スタジオにいた。
「じゃ、音楽流すよ」
と、ロック調の音楽がかかる。
私はそのリズムに合わせて踊る。なぜ踊るかというとSNSにあげるためだ。
私こと中村 真綾も、SNSはもちろんしている。呟くのはあまりないが。
「真綾クールだねえ! その調子!」
「よっ」
ダンスなら中学生の頃に経験がある。
ブレイクダンスをやっていたこともあり、ダンスは得意な方だ。
私は片腕で体を持ち上げ、その腕を軸にして回転する。
私はモデル仲間と交代するためにカメラの方に近寄り、ハイタッチでバトンタッチ。
私はクールなダンスをしていたが、モデル仲間の深間 春香はアイドルみたいな可愛いダンスだ。
そして、音楽が終盤に差し掛かったとき、私はカメラの前に立ち、春香と一緒に踊る。
そして、音楽が終わり、マネージャーがカメラを止めた。
「ふぅ、疲れた」
「激しいダンスお疲れ! SNSに載せるね!」
「どうぞ…」
私はマネージャーからタオルを受け取り、汗を拭く。
「それにしても真綾が私の誘いに乗るなんて珍しいねー」
「別に。最近運動不足だったから」
「太った?」
「あ?」
「ごめん…」
「ま、幸せなのは確かだよ。結婚したし」
「そういや前結婚式だったんだよねー。参加できなくて申し訳ない!」
「海外ロケの最中なら仕方ないっての。ま、来ない方が正解だったよ」
今でもちょっとムカついてる。
あの女は結局慰謝料踏み倒そうとしてたから給料から差し押さえた。そしたら私の職場に包丁を持って突撃してきたので御用となった。ったく、女ってのはつくづく怖い。
「なんか話で聞いたけど女が乱入したって?」
「そう。思い出したくもない」
まったく。
「思い出したくもないで思い出したけどこの前深雪みたよー」
「深雪? ああ、あいつね」
「なんていうかやつれてた。私ちょっと話したんだけどすごい悲しげだったよ」
「まー、仕方ないでしょ。やったことがやったことなんだ。私は謝られても許すつもりはないしモデルを下されたのは自業自得」
私は女性に縁がないな。結婚式もモデルも。春香ぐらいだ。モデルで信用できるのは。
春香はのほほんとしてるし深いこと考えるわけがないってのわかってるから付き合いやすいけど。
「よし、きゅーけいおわり! 次真綾のツ○ッターに載せるダンスとろー!」
「いや、私は…」
「いいの! 私のだけじゃつまんないしね! 曲何にする? 真綾の好きな曲は?」
「えっ、うーん、これと言ってないよ」
「じゃあ妖怪体操…」
「そんな子どもっぽいのは嫌だ」
「えー!」
そんなえーっていわれても。子どもっぽいの踊るのはキャラじゃない。
クールで通してるってわけでもないがそんな明るい曲は似合わない。
「じゃあボカ○でいいよー」
「仕方ないなって感じやめろ」
「じゃあヒバ○だねー。ゴース○ルール?」
「どっちでもいいよ」
「ヒ○ナ!」
私はマネージャーに自分のスマホを渡し、録画してもらうことにした。
私は音楽をかけ、春香が先に踊る。そして、二番に入り、春香と交代し、私は踊り出した。
うちで過ごしてるから暇なんでどんどん更新!