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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
二人の結婚生活
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死にたい…

 死にたい。

 結婚してからというもの、死にたいなんてことは考えなくはなった。が、今まさに死にたくなった。いやなことがあったわけじゃない。いや、嫌なことかもしれないが…。


「すいません! 日にち間違えました! すいません!」


 私はなんとお義母さんの誕生日を一日間違えてしまったのだった。

 お義母さんは2月28日生まれで、満も祝おうとしていたのでケーキを買ってきて28日に持っていくつもりだったのだが、間違えて27日に持ってきてしまい、それで誕生日は明日よと言われて気づいたのだった。


「ほんとに恥ずかしい…」

「いいのよー。この歳になってまだ祝われるっていうのは嬉しいのよ」


 お義母さんは気にしてなさそうだったし、笑ってくれた。でもめっちゃ恥ずかしい! ずっと今まで今日だと思っていたので本当に恥ずかしい。

 満になんて言えばいいんだろう……。


「ああ、でも間違えてくれたおかげで助かったわー。私の父がフグを釣ってきたのよ。フグを調理できるでしょ?」

「ま、まあ一応免許だけは持ってますけど…」

「ちょっと調理してくれないかしら」

「いいですよ」


 というのでフグを捌くことになった。

 とらふぐを捌いてほしいらしい。身が引き締まってるなー。すごい美味しそう。だけど妊婦だから私食べれないのはつらみ…。

 たしかとらふぐで食べれる部位は身と皮と白子。


「うわ、でっか」

「測ってみたら10kgあった! いやー、大物釣った!」

「これ普通に余りますね。余ったら鍋にして食べてくださいね」


 これが天然ものということに驚きを隠せない。

 ま、いいや。とりあえず捌いていこう……。私は包丁を持ち、捌いていく。


「うわ、これ両性…。珍しいけど白子は食べれないなー」

「ダメなの?」

「オスの精巣…白子だったら食べれたんですけどメスの卵巣は猛毒なんで食べれないんですよ。で、両性の場合も白子は食べちゃダメなんです。猛毒の卵巣が隣にあるからだと思うんですけど。なので捨てますね」


 くうう! 食べたい!


「お義母さんは紅葉おろしでも作ってみたらどうでしょう?」

「いいわね! あと、ネギとかも刻んでおくわ」

「おおー」


 私は捌いていった。

 さばき終わり、ぶつ切りにする。刺身にするの面倒なんだよなー。うすーく、うすーく斬らなきゃいけない。


「円形の皿ってありますか?」

「あるわよー。これでいいかしら」


 と、デカい皿を手渡された。

 私は薄く切って盛り付けていく。皮はあとで湯がいて食べよう。


 とりあえず刺身完成!


「はい、ふぐさしです。おろしポン酢で食べると美味しいですよ」

「ありがとう! フグ半分あげるから料理して食べてくれ!」

「はい。大きいので…。あと皮ももらっていいでしょうか」

「いいぞ!」


 というので有難くもらう。

 

「じゃ、早速食べよう。ビールビールっと…」

「ごめんなさいね。妊婦だからあまり食べさせるわけにも…」

「いいんですよ。自分の家でフグ鍋とか皮ポン酢とか食べるんで」


 なんだか申し訳なさそうにしてる二人。

 フグを捌くのは私しかできないから仕方ない。ここらへんでフグを扱う料亭もないし……。


「あとフグもう一匹いるから持ってきなさい」

「ありがとうございます」


 私は有難くもらうことにした。















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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 気のせいかな? 時々なろうが重くなるんですけど…(´-ω-`) [一言] 此方も更新乙です! 解る( ・-・) 私も経験が在るので言えますが、そう言う時ってホント恥ずかしいんですよ…
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