報告
私はソファーに寝転がっていた。
捨て子だった子は何と親が見つかって引き取られた……。ていうか、連れ去られた子だったみたいで、話によると離婚したのに夫が子供だけ寄越せと連れ去ったけど見つかって掴まりそうになったので私の家の前に置いたんだとか。
「残念だったね」
「ちょっと複雑……。あの子がきっかけで結婚したってのにさ……」
「いいよ。どちらにしろ、俺は結婚する予定だったし……」
と照れながらご飯を一緒に食べている。
美味しい。我ながら超美味しくできた……。
「そういや明日から出張なんだっけ?」
「あ、そうそう。海外に行くんだよね」
「すげーなー。事故らないでね」
「もちろん。ごちそう様。美味しかったよ」
明日からは家に一人になる。
暇になるなぁ。育児休暇をやめて戻ろうかと思ったけ……。
「ん、なんか気分悪い気がする」
「大丈夫?」
「吐きそう……」
「ええ!? なんか悪い病気? ちょ、ちょっととりあえず病院! 病院行こう!」
と、満が言うが、もう夜なので満は明日に備えて準備しないといけないだろう。
私は一人で立ち上がる。
「いいよ、私一人で行ってくるから……。なんで急に……。いや、料理作ってる最中とかちょっと気持ち悪かったし食欲もなかったけど……」
「……なんでその時にいかなかったの。少しくらい料理手抜きしてもいいんだぞ?」
「いやっ、手抜きは絶対にしないと決めてた! じゃ、病院行ってきます!」
帰ってきたのはいろいろあって深夜一時だった。
満は眠っており、洗い物など家事をしてくれたようだった。で、ちょっと悪いんだけど満を起こすことにした。
「おーい」
ぺちぺちと頬を叩くと唸りながら起き上がる。
「大丈夫かー……」
「その、お話があります」
「ま、まさか……ガンか!? それとも……」
「…………」
私は暗い表情をしながらリビングに誘導する。
「その、さ。帰るの遅くなったのはごめん。ちょっと現実を受け入れるのに時間かかってさ……」
「お、俺は死んでも再婚しないからな。ちゃんと治るように……」
と、私の手を握ってくる。ちょっと思わず笑ってしまった。
「そんな悲しそうな顔しないでよ! からかっただけだって! 妊娠! なんと妊娠してました!」
というと、一拍おいて。
「うおおおおおおおおおおお!」という叫び声を夜にもかかわらずあげていた。
どうやらちょっと育ってきているみたいでちょっと太ったかなと最近思ってたんだけどまさか赤ちゃんいるとはおもってなかった。
こういうところ鈍感なんだな私……。
「本当か! おし! 男か!? 女の子か!?」
「それはまだわからないけど……。でも、妊娠してたね」
「よし、よし! 俺にできることがあれば何でも言えよ! お前を暇にさせるぐらい家事とかするからな! 暇にさせてやる!」
「そこまではいいよ」
満は相当嬉しいのか舞い上がっていた。
大きくガッツポーズをして、叫んだ。そして、テンションが上がり切ったのか、そのまま倒れこむように眠ってしまったのだった。
嬉しそうに笑って。
「私も嬉しくてつい友達とかに報告しに行っちゃったからね……。真野ちゃんと珠洲が一番喜んでたな」
私も、満の横に寝る。
いい夢を見れそうだ。
……そういや妊婦が気を付けることとかあるかな? 明日パソコンで調べよう。タバコはもともと吸わないし、お酒は飲めないから……。
あ、あと生魚とか蜂蜜はダメ……それ赤ちゃんに与えるのがダメなんだっけ。うわー、ママになるってほとんど初めてだからわからない!
それと、興奮で眠れそうにない!
ちょっと生々しく話そうとした自分に説教をしたい。
規約にひっかかりそうなこと書くとこだった。あぶねえ