表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
番外編
821/856

番外編 柔道の相手

 私が教師となって7年。29歳と、もういい歳になった。

 アラサー近くなったし、あと、転勤になった。今度は隣街の高校に配属されたのだった。私は、体育準備室で一人椅子に座って生徒たちを見る。


「広瀬先生。また相手お願いします」

「いや…柔道そこまで得意じゃないんだけど……」

「ダメでしょうか」

「……いいけど、まず準備運動させて」


 女子生徒の一人に柔道の相手をしてほしいと頼まれた。

 この学校には柔道部はあるし、その柔道部の生徒にずば抜けた才能を持つ女の子がいる。それが目の前の子なんだけど……。

 正直、勝てそうにないんだよなぁ。


「柔道着無いから私はジャージのままでいいよね?」

「もちろんです。私は柔道着でやります」

「おっけー。それじゃ、格技場行こうか」


 私たちは場所を移す。

 すると、目の下にすごいクマがある生徒と、有名な父親を持つ女子生徒がいた。たしかこの柔道の子の友達だっただろうか。

 その子たちは、何やら会話している。


「そろそろアレの発売日よ」

「あれかー。あれかー……」

「あれよ」


 あれとは?


「先生。よろしくお願いします」

「う、うん。よろしく」






 結果的に言うと惨敗した。


「流石です先生。うちの部のみなさんでも先生みたいに強い人はいませんよ」

「いや、結構ぼろ負けだった気がするけど」

「たいていの人はすぐ投げれます」

「すごいね……」


 さすがに一本背負いは堪える。

 流石に歳には勝てないということだろうか。老いてきたなぁ。盆栽とか始めてみようかしら。いや、始めないけど。


「広瀬先生も運動神経ものすごくいいんですね」

「まぁ、そりゃ体育の先生だし」

「昔からいいんですか?」

「昔から……だね。動体視力はめちゃくちゃいいほうだけど」


 懐かしいなぁ。

 かつてやっていたA2Oというゲーム。あれをやってるときは基本見て躱すという今思えば人間離れしたことをしていたんだよな。

 光の速度みたいなものは躱せなかったけど、尋常じゃないほどの回避率。あれは今思うとすごいと思う。


「動体視力がいいんですか?」

「昔からね。そうだなぁ。ほら、一昔前にA2Oってゲームあったでしょ? それで私結構名をはせていたプレイヤーなんだよね。その時に私がしてたのは見て躱すっていうような感じかな。それで基本ダメージ食らってないってぐらいだよ」

「反射神経もすごいのですか! 流石です!」

「あー、そっか。反射神経も必要かあれ」


 たしかに考える暇なんてないし大体反射的だった気がするな。


「私も今度ゲームやる予定なのですが広瀬先生の真似して鍛えてみます!」

「あー、えっと、ほどほどにね?」


 この子ならできそうな気がしてならない。














新たなキャラが登場…?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ