罪悪感
じかんでけたからかけた
男と女のいじめの違いとはなんだろう。
男は武力で行使してくる場合が多い。殴られたりとか。
女は社会的に殺してくる場合が多い。悪評流したりとか。
どちらも嫌なんだけど、しいて言うなら武力に訴えてくる方がまだマシな気がしなくもない。いや、それも嫌だけど。
まぁ、女子のほうが意外と黒いからね、仕方ないね。
「朱音……いじめなの? またいじめるの?」
「違うって! ただ転んだだけで……!」
朱音が転んで私にコップの水をぶちまけた。
ただからかってるだけなんだけど意外と面白い。私サディスティックの才能あると思う。日々運営いじめてるし。
慌てようがちょっと面白い。なんかわかる気がする。好きな子を苛める理由とか。
「え、ええ、えと、ごめん! ごめんって!」
「わかってるよ。揶揄っただけだから」
「……その手の揶揄いは意地悪いと思う」
「もう笑って済ませる過去にしようよ」
「できないよ……。できるわけないよ……」
朱音はしょんぼりしてしまった。
やりすぎたな……。
「もう恨んでないし、朱音はもういじめる人じゃないってことは信じてるから大丈夫だよ。過去引きずったままは嫌でしょ」
「でもっ……」
「朱音は過去の罪悪感から私と付き合ってるわけじゃないでしょ?」
「つきあ……ごめん。横やりごめん」
真綾が何か顔を赤くして謝っていた。
朱音はそうだけどと言いながらもまだ俯いている。過去の罪悪感で一緒にいるならそっちのほうが私としては嫌だし、罪悪感で一緒にいるというのは友達ではないと思う。
楽しいからいるわけだしね。友達は。
「罪悪感で一緒にいるわけじゃないんなら、もう気にしないでいいし、罪悪感で一緒にいるならそっちのほうが私は嫌だな」
「うぅ……。でも」
「そんなに気にする人が悪い人なわけないよ。悪い人っていうのは……原田みたいなやつ」
「……あいつは、うん。そうだね」
納得したらしい。
朱音は主犯格と言えど悪評広めたりとかは自らしなかったし結構マシだと思ってる。女子のトップってだけでいじめの主犯格になっただけだと思うし。朱音もいろいろしてきたのは事実だけど。
「もう……気にしないでいいの?」
「いいよ。むしろ、朱音はもうそんなこと気にしないで私と付き合ってほしいし」
「告白……ごめん」
真綾さんなんでそんなに顔赤くしてるの?
とまぁ、それはおいておいて。朱音は笑顔を見せた。もう気にしないようになったのかな。だとしたらいいな。私は気にしないで欲しいしね。
「もう、罪悪感はいらないの?」
「もうしないんであればいらないかな」
「約束する。私はいじめはしない」
と、高らかに宣言したのだった。
真綾(いや、ミキノーマル……でも口説いてるというかモテるのって大抵同性だしミキはもう観念して同性に目覚めたのか……いや、ミキはノーマルだよな……?)