民衆は希望を求めた ②
20分。それがアルテナ様から告げられたタイムリミットだった。
そのタイムリミットを告げられて、あと10分。下ではチリンが無双ゲーよろしく、魔物を次々と蹴散らしてく。私も頑張らないと思うけど、MPが底をつきそうで少し怖い。
いくらMPが膨大とはいえ、無限というわけではない、
「起爆符も残り少ないんだけど」
「持つ?」
「持たない」
と、残りの枚数を出して見せてくる。
あと五枚しか残っていない様子だった。あと10分。私の残り少ないMPと残り少ない起爆符でどう対処すればいいんだろう。
せいぜい、うまく使ったとしても五分が限界っぽい。自分の羽根をちぎって魔力回復と行きたいけど、それは一日十回までと決まっているし、もう使い切った。
……あっ、そうだ。いい手がある。
私は、イベントリの中から魔力回復ポーションを取り出した。最大マックスで五分耐えれるってぐらいって感じだしそれほど意味はないと思っていた。
けど、MPが最大になっていたらあのスキルが使える。
私の魔力は回復していった。そして、私は小さい太陽を創り出す。
「延々と広がり続ける爆発を起こそう」
そうしたら、MPの消費が激しくない。
でも、これは危険でもある。太陽を創り出したということは、もうわかってる人もいるだろう。私は……今から宇宙を創る。
太陽を、私は爆発させた。その衝撃がゆっくりと上空に響き渡る。時間をかけて爆発し、爆風が私たちのところまで来たのだった。
爆風で飛ばされ、地面に激突する。落下ダメージで体力が減った。だけれど、その爆発は降り注ぐ無数の隕石を飲み込み、破壊していく。
この様子なら、10分は余裕だろう。
《スキル:超新星爆発 を取得しました》
宇宙を創造したともいわれる爆発。
爆発の仕組みは膨張だ。一気に膨張するときに起こる衝撃が爆発の正体だ。だと思った。水蒸気爆発がその一番いい例かもしれない。
まあ、そこまで詳しく調べてないからわかんないけど。
「どんどん隕石を飲み込んでいる……」
「あと五分です!」
全然余裕!
私は、立ち上がって空を見上げる。
今のミキには戦うためのMPがない。ただただ傍観することしかない。ミキは静かに時を待つ。刻々と過ぎていく時間がゆっくりにも思えた。
そして、カウントダウンが始まる。
「29、28、27……」
空を見上げて、声を上げる。
20までいくと、みんな叫び声をあげていた。気合いを入れるためだろうか。そして、次々と切り倒す。
そして、5秒前になって、みんな剣を捨てた。
「「「「「5」」」」」
「「「「「4」」」」」
「「「「「3」」」」」
「「「「「2」」」」」
「「「「「1」」」」」
「「「「「「「「「「0!!!!」」」」」」」」」
「十分な量の希望が出来ました。では……終了です」
アルテナ様は希望が詰まったパンドラの箱を開けた。