第二回 種族限定イベント開催③
ユニークモンスターのザッハーク。
私はその存在も知らなかった。どんな形状なのかも知らなかったんだ。だから、そんなに脅威は感じていなかった。
「無理」
私はその場で戦意を喪失してしまった。
いや、あれだよ? 蛇とかならいいんだけど……なんか、蛙。ゲコと今すぐ鳴きそうな感じで蛙。あの、私幽霊の次にダメなのが蛙なんですけど……。
「よし、みんな構えろ……」
「蛙きもい蛙きもい蛙きもい……」
「あのー? ミキさーん?」
「蛙きもいぃぃぃ!!」
私はその場から逃げ出した!
だけどその抵抗は無意味。トロフィさんに首根っこを掴まれてしまった! なんで邪魔するし! 蛙なんて絶対変なプレイでしか……。
その時、後ろから引っ張られた。
私の腰に巻かれているのはピンクのぶっといひも。ははは、まさか、ね?
「ゲコ」
「蛙ぅぅぅぅ!?」
蛙の舌!? 食べられるのぉ!?
「い、いやあああ! 食べないでぇぇぇ! き、きもち、気持ちわるぃ! うわあああああ!」
「”居合”」
と、ロトさんが蛙の舌を切り取ってくれた。
私は地面に落ちる。ちょっとぬめってするような気もする……。実際してるし!なにこの再現度!? リアルフィクションだからってなんでもリアルにすんな!
「あー、もしかしてミキさんって蛙、ダメ?」
「……小さいころ寝ていたら蛙が私の口の中に入ってきてそのままごっくんとして以来私はトラウマになってます」
「うげ、それ俺も嫌だ……」
「きもいなそれ」
「私はバッタが入ってきました! とても美味しかったよ!」
美味しいか美味しくないかの問題じゃないの……。
生の蛙、しかも生きてるのに入ってくるとか拷問……。
「ゲコ」
また腰に舌がまかれ……。なんで私だけええええ!?
「もう嫌だあああああ!」
「”獣王の爪”!」
「”ファイアウォール”」
今度はミソギさんとガガトツさんが助けてくれた……。
いや、女子狙ってるにしても私だけっておかしくない……? 乱数とかばぐってるんじゃないの……? 女子ならプギーもいるのにぃ!
ううう、ぬめぬめしてるぅ……。
「もうやだ……。トラウマが、私の心に……」
「ミキが壊れてしまった! 大丈夫か!」
「あハハッ! もう、どうにでもなーれ! 精霊魔法の光ィ! 私特製ナパーム弾でもくらええええええ! くそ蛙がああああ!」
排除してやる! 蛙なんて!
「……ミキに続くぞ!」
「おお!」
「みんなみんな死んじまえ!」
蛙も誰もいなくなれ!
憎いっ! 蛙と蛙を使って嫌がらせしてきたあいつらが憎いっ! いなくなってしまえ! この世から一人残らず!
「大丈夫かミキさん……」
「あれはだめだ。壊れた」
「……本人が壊れるほどのトラウマ」
「……怖い。優しそうだったミキさんがあんなに変貌を……まるで阿修羅のようですね」
本人のトラウマが糧となって無双する! ちなみにこの時が一番パフォーマンスを発揮できる模様……。
※ミキの苦手なものは結構あります。
ランキングにすると
1位 お化け・幽霊
2位 蛙
3位 トマト
ですね。トマトに関しては嫌いなだけです。作者もトマト嫌いです。ケチャップなら食べれるんですけどね。