絶望との戦い ②
天界。
アルテナ様、オルテナ、ベノムにカーリ、サティにハーデス。私の知っている神が集められた。私は、パンドラの箱をもって待機している。
中にはとんでもない絶望が入っている。これをどうにかしろ、って無茶ぶりをみんなでどうにかする。
「では、開けてください」
「はいはい」
私は、意を決して箱のふたを開ける。
パカっと開かれたけど、何も起きそうにはなかった。中には何にもなかったけれど……不発なのか? そう思っていると神が構えている。
どうしたのだろう。と思うと、空には無数の隕石があった。わぁ、絶望。
「この国だけのようですが、この国面積が広いので対処しきれない可能性がありますね。神、一斉にちらばりなさい」
「「「「「「かしこまりました」」」」」」
神が各地に一斉にちらばった。
アルテナ様は王都付近を担当するらしい。下界に急いで降りるとみんな隕石に気づいているのか避難命令が出ている。
《緊急クエスト:その名は、絶望 を開始します》
ワールドアナウンスがそう響いた。
「騎士、冒険者! すぐに門の外で待機! 魔物の大群がこちらに向かってきている!」
「……」
隕石と同時に、魔物の反乱も起きているらしい。
私は戦えない。隕石をどうにかする必要があった。だから他のみんな頑張れ! とドラゴンが門の前に立つ。アクアだった。
アクアはでかい咆哮をあげる。
「なんだこの、ドラゴンは……」
「勝てるわけがねえ!」
『安心しろ人間。味方だ』
アクアは魔物の大群に突っ込んでいく。
『おいクロックという悪魔。うちの本気を出すために満月にできへん?』
「ふはははは! 緊急事態だ。やってやろう」
と、太陽が昇っていた空が満月の夜に変わった。
イナリも戦ってくれるらしい。クロックも背中に乗っていた。うわぁ、この組み合わせなんとなく強そうな気がする。
イナリは魔物の大群に向かっていく。クロックも相手してくれるようだ。
「そうだ」
私は、ルシファー、ミカエルを召還した。
「ルシファー、ミカエル。魔物の相手を頼む。今日は業務はすべてウリエルに任せていい」
「緊急事態のようだ。かしこまりました」
「ふははは! こんな魔物の軍勢が! 万……いや、億か? 腕が鳴る!」
剣を構えてミカエルとルシファーも魔物に突っ込んでいく。
少しでも戦える人は魔物の相手をしてほしいものだ。すると、うちのギルメンが英雄たちを連れてきていた。
「ミキ、何事!?」
「エルルゥ。いや、ちょっと絶望がね! というか英雄全員連れてきたんだ!」
「少しでも味方が多いほうがいいかなって思ってさ!」
「助かる! 私たちは隕石を何とかするから魔物を何とか頼むよ!」
「任された!」
アーサー、ランスロットが剣を持ち、お互いに見合う。そして、一気に魔物に間合いを詰めていた。クー・フーリンもゲイボルグを片手に敵を薙ぎ払っている。
ハーメルンは笛を吹き、アリス、オズも敵を吹き飛ばしていた。
「ふはははは! 悪魔、参上。この混乱の隙に、大地を滅ぼしてやるぜええええ!」
と、悪魔と思われる軍勢が姿を現した。
その数は、万を超えるだろうか。うわぁ、さらに増えた。と思っていると、そのリーダーの上にベルゼブブがどかっと豪快に着地した。
「帰れ低俗な悪魔よ。お前らが来るところではない」
「なっ……!」
「サタン、ベルフェゴール、アスモデウスにレヴィアタン。大罪はこの世界が気に入っている。むやみやたらに滅ぼすわけがないだろう。来い。大罪が相手してやる」
「そうだなぁ! 意外と住み心地がいいんだこの世界! 俺様の生活を邪魔しやがって! 覚悟しやがれクソがぁ!」
「食べ物美味しいしねぇ。相手してあげる」
悪魔の相手はベルゼブブ、サタン、ベルフェゴールにアスモデウス、レヴィアタンが相手するようだった。大罪たちもいつのまにかこの世界が気に入っているらしい。
助かる。
「隕石の破壊をしよう。まず」
私は、私のできることをやらなくては。




