アルテナ様の授業見学 ②
アルテナ様と剣を交わす。
「アルテナ様剣術出来ないの嘘ですよね!?」
「嘘じゃありませんよ。見様見真似です」
見よう見まねでできるんかい!
アルテナ様は素人というにはなんだか上手い感じがした。私も剣術は知らないし、スキル補正もなにもないから剣を使うときは我流だけど……。鍛えてもいいかもしれないな。
でも、今は私は普通にど素人。
私の剣がはじかれた。
「降参ですアルテナ様……」
「ふぅ」
アルテナ様は勝ったという顔をして、にやりと笑う。
私はため息をついた。
「授業の邪魔してすいません。では……」
「あ、ああ」
先生方みんな、固まっていた。
次に訪れたのは上位クラスだ。
平民が多いクラスでもある。貴族もいるけど子爵、男爵ぐらいしか入っておらず、また、その貴族も貴族至上主義という輩が多いらしい。
なので自分は貴族だと言い張る輩が多いとか。嘆かわしい。
「うわ、めちゃ可愛い女の子じゃん」
と、一人の男子がアルテナ様に近寄っていた。
「今夜暇かい? 俺貴族だから裕福な生活したいと思わない?」
と、アルテナ様を口説いていた。
アルテナ様は気づいていないのか無視をしている。自分に話しかけられているって思ってないんだろな……。
無視していることがその貴族を逆なでしているらしい。だんだん怒りの表情になっていくのがわかる。
「てめえ! ちょっと可愛いからって無視しやがって! 平民如きが貴族に逆らうなど……!」
「あ、私に話しかけてたんですか?」
「こんにゃろう……!」
その貴族はすぐに護衛を呼んだ。
そして護衛はアルテナ様を貴族の命令で襲わせる。護衛は剣を抜き、アルテナ様に切りかかった。クラスの中に「きゃあ!」という女性の甲高い悲鳴が聞こえる。みんな斬られたかと思っているだろうけど……。アルテナ様だぞ。
「……いきなり喧嘩吹っ掛けてくるとはいい度胸ですね」
アルテナ様は素手で剣をはじき、剣を折る。
折られた剣を見て、護衛は驚いていた。
「素手で剣を折った……?」
「脆い剣ですね。私がプレゼントしてあげますよ」
と、剣を一つ創り出し、護衛の足下にぶん投げた。
護衛は思わず転んでしまい、涙目で逃げていった。残された貴族は、化け物を見るかのようにアルテナ様を見ている。
アルテナ様はその貴族を睨んだ。
「ひい!?」
「男性として恥ずかしくないんですか? 無視されただけで襲わせるなど……。この件は実に不服でした。王に報告させていただきます」
「は、はぁ!? 王に気軽に謁見できると思う…」
「私はできますよ。アルテナですから」
と、いうとその貴族はほへ? とわからないような声を出し、逃げていった。
「では、私は報告してくるので。ミキ様、残りのあんまんです」
ああ、ピザまん全部食べたんだ……。
次は王視点かな?




