アルテナ様の授業見学 ①
隣にはなぜかアルテナ様が座っている。
「あ、あのー、まだ帰らないんですか?」
「私の授業内容が気になるんです」
肉まんを食べながらアルテナ様はいった。
肉まんをもしゃもしゃ食べながら授業を受ける神様とは一体。隣にいる真綾は少し呆れていて、ガッシュたちは誰だそいつと言わんばかりの視線を向けてくる。
この人、さっき授業で教えていた神様なんだぜ?
そして、またアウル先生が入ってくる。
アウル先生は隣に座るアルテナ様に気づいた。
「……誰だお前は」
「…………」
先生。アルテナ様です。
「……ふぅ。美味しかった。今度はピザまんを……」
「誰だと聞いている!」
あの、アルテナ様。自己紹介をしてあげて?
というか何個あるんですか? 肉まん食べ切ったから今度はピザまんですか? 何個種類あるんですか……。なんで食べてるんですか……。
「ああ、私ですね? 今ちょっと食べてるので少し待ってください」
「いや、今しなさいよ……」
ピザまんを一つ食べ切っていた。
先生はなんだか血管が浮かんでいる。これ相当怒ってるなぁ。
「では……。私はアルテナ。創造神をつと」
その時だった。
先生が一瞬で地面に頭をつけた。早いよ。さっきまで怒ってたろ。
「……本当か?」
ガッシュがそういった。
まぁ、アルテナ様を騙る誰かかもしれないと疑うのはわかる。さっきまで教えられていた印象と全く違うからな。
アルテナ様は、手にネズミを創り出した。
「……は?」
「私はなんでも創れますよ。新たな種族を作りますか?」
「いや、いい! 信じる!」
いきなり現れたネズミ。
生命を創ったのか? というか、ネズミがアルテナのピザまんかじってますよ。それに気づいたのかアルテナ様は無表情になり、ネズミを殺した。
うわぁ、容赦ねえ。そして、そのピザまんを食べ始めた。食べるんかい。
ダメだ。つっこんでいたら疲れる……。
「アウル先生。授業を」
「かしこまりました!」
アウル先生は立ち上がり、チョークを手に持つけれど、その手は震えている。
これ授業できる状態じゃない。
「授業やめましょう。アルテナ様、それでいいですね?」
「仕方ないですね。なら高位クラスの剣術の授業見に行きましょうミキ様」
「……はぁ。わかりましたよ」
アルテナ様は私を連れて体育館へといったのだった。
高位クラスは結構人が多かった。
剣を構え、対人戦の練習をしているらしい。剣を構えて人と打ち合っている。それをアルテナ様は目を輝かせてみていた。
で、剣術を教えている先生は私たちに気づいたようで。
「最高位クラスの生徒が何をしている? 授業の時間では……。隣は誰だ?」
警戒をする先生。
これ、またやるの?
「えっと、この人は……」
「創造神、アルテナ」
「……は?」
「創造神アルテナと申すものです。剣術が気になるので見に来ました」
と答えると、先生は頭を下げる。
打ち合っていた生徒たちもその手を止めた。
「……剣を貸してください。私も打ち合いがしたいです」
「できるんですか?」
「できません」
できないのかい!
先生は素直に剣をアルテナ様に渡した。そして、いきなり私に切りかかってくる。
「おわぁ!?」
「ミキ様流石です」
「いや、なんで私に!? 剣持ってないんですけど!?」
「あ、本当ですね。ならあなた。貸してあげてください」
隣にいた生徒にそういうと素早く差し出してきた。
その剣を私に寄越してくる。
「さぁ、やりましょう」
「……はいはい」
もう、やるしか未来はなさそうだ。