自己紹介をした
今日はこの一話のみです
無事に編入も果たしたので、学校内を探検することにした。
学校は新校舎、旧校舎、新体育館、旧体育館、新闘技場、旧闘技場と様々にわかれていて、新とつくほうはみんな設備がいいらしく、旧……古い方はまぁ、なんていうかお粗末らしい。
新校舎とか新しい方はいつも最高位制服を着ている最高位クラス、高位クラスが使い、古い方を上位、中位、下位クラスが使うということだ。
で、私と真綾は最高位なので新の方をメインで使うわけだけど……。でも、旧っていってもそれほど古臭くは感じない。
「たしかに設備は少し新しいのに劣ってるけど十分やっていけるような構造だね」
「うん。このゲームの人って結構こだわりが強いのか、それとも私たちがけち臭いだけなのか?」
まぁ、体育館はともかく闘技場に危険があったら困るからな。
たとえば魔法を貫通して観客席にまで被害が及ぶとか。そういうことがあったらやすやす観戦も出来やしないし、設備がいいに越したことはないけど何も体育館はいいんじゃないの?
うちの高校の体育館みたいだよ? 大丈夫そうだけど。
「まぁ、有り体でいえば贅沢だよね」
「うん。なんか、日本の高校がばからしく思えるような……」
一目見てわかるけど、やっぱり金かけてるなって。
日本の高校もかけてないわけじゃないけど、こうも大きい校舎なんてないはずだ。どれくらいの人数が入学しているんだろう。体育館だけでもものすごく広いし、闘技場もコロッセオぐらい広かった。
敷地も敷地ででかいらしいし、学園都市というだけあるのかもしれない。
私もこういう設備がいい学園に通いたかったなぁ。なんて。
「さて、そろそろいかないと」
「え? あー……」
そういえばクラスでの自己紹介をしていない。
先生からくるように言われていたので私と真綾は最高位クラスの扉を開く。
最高位クラスの人数はやはり少なく、三人と本当にごく少数しかなれないと痛感する。この人たちも結構な力を持ってるんだろう。最高位ということはものすごく強いということだ。
三人が私たちを見ると、にっこり笑う。
「自己紹介を……だな。まず、担任のアウルだ」
アウルという先生が頭を下げる。
「ガッシュ・アドバンス……だ。この国の第一王子を務めている。よろしくな」
「メルルです。王子の護衛です」
「………カール」
三人が自己紹介してきた。
私たちもそれに倣い、前に出てこほんと咳払いをして、自己紹介を始める。
「私はマーヤ。よろしくね」
「私はミキ。少しの間よろしくね」
私たちは深く頭を下げた。