因縁との邂逅
名前はオメガメレオンというらしい。
制服の素材を作る蜘蛛……を捕食してしまうのだとか。こいつが蜘蛛の縄張りに居ついたせいで蜘蛛がいなくなってしまったらしい。
オメガメレオンはカカカと鳴く。
「カカカカカ」
すぅ……と景色に同化していった。
見えないという恐怖はとてもすごいものだ。私は辺りを警戒するように見渡す。どこかにいるはずなんだ。私は目を凝らして周りを見てみると、舌のようなものが見えた。
あそこだ!
火の魔法を放つ。すると、一気に体力が削れ、そして終わった。
……え、もう?
「呆気な!」
そう思ってとりあえずオメガメレオンの素材をはぎ取っておいた。
もう片方のほうにいくと別のプレイヤーが倒したそうなのでとりあえず報告することにした。
「おお! なら、明日には再開できるのぅ! 儂は今から素材取ってくるでの!」
と、元気よく出ていった。
それを見送り、私は宿に向かってログアウトしようとログアウトしようとした時、私は思わず固まってしまう。声をかけられた。
「あれえ? 広瀬じゃーん。お前もやっていたのかよ」
「は、原田……」
「ここではキルだ。お前も生意気にやっていたんだな」
原田は私にゆっくりと近づいて、短剣を首に突きつける。
「この前はよくもあんなことしてくれやがったなぁ……! 恨みは俺は覚えておく方でよ。お前を恨んでいるからな」
「…………」
首元に短剣を突きつけられ、そして、少し刃先が触れている。
現実なら血が出ているだろうけど……。でも、それより怖くて足が動かなかった。
「お前はずっと壊れたままでいればいいんだよ……! 今からでも遅くねえか。俺がお前を壊してやるよ」
と、原田は笑う。
「お前が必死に紡いできた脆い繋がりも、関りも、すべて断ち切らせてやる。お前は俺に従うしかねえんだよ。いっちょ前に調子こいてんじゃねえよ」
原田は私の胸倉をつかんでそう脅してきたのだった。
いっちょ前に……? つながりを……? かかわりを……? すべて……?
「や、やめて……!」
私は必死に声を紡ぐ。
原田はにやりと笑う。その目は、私を獲物として定めたかのような……そんな目だった。そんな射られるような視線を向けられて思わず凍ってしまう。
最悪だ。やはり原田と出会うと私は……。
「うるせえんだよ。霧崎もそうだ。この前はあんなことしてくれやがってなぁ……! 警察にはしょっぴかれるわ親から叱られるわ散々だった」
「……」
「全部、お前が悪い。責任とれよ。謝れよ。慰謝料寄越せよ。俺の心を傷つけたんだ。詫びの一つや二つあるっていうのが礼儀だろう? こんな風に、な!」
と、私の首に当てられていた短剣が思いきり前に突き出される。首に刺さった。私は、そのまま意識を失ったのだった。
そして、目が覚めると……装備がなくなっていた。
カメレオン火にめちゃくちゃ弱いしミキの火魔法の威力ならワンパンと魔法耐性もクッソ低い雑魚キャラです
物理ならめちゃくちゃ強いです