制服を作ろう ③
とりあえず身分証は手に入ったので北門の兵士に見せる。
「では、お通りください!」
北門がゆっくりと開かれる――
私は歩いて泉があるところまで向かうことにした。泉には何がいるのか。それが気になるところ。もしアンデッド系なら私は手出しができないしな。
泉がある場所は最初の道で分かれ道があって……。
「分かれ道はここか」
ここは迷宮の森というらしい。
正しい道順で行かなければ入り口に戻されるもの。だから学園都市に輸出する場合は別ルートを使うんだとか。
まあ説明はおいておいて。
「最初の分かれ道を右……」
メモを見ながらゆっくりと進んでいく。
分かれ道があったので右にいくと、今度は三つの分岐点があった。で、次に進むのは……通り抜けるなら真ん中らしいけど、泉にいくには左らしい。右は入り口に戻されるという。
左に足を向ける。
そして、今度は四つ分岐点があらわれた。
右から二つ目…らしい。右から二つ目の道をまっすぐ進む。進んでいる途中に左に行く脇道があるからそこに入る……。
脇道はまだ見えないな。左側を注視しながらゆっくり歩いているとなんだか見たことのある二つの分岐点にたどり着いた。
……あれ?
「最初に戻った?」
振出に戻った……のか?
脇道見つからなかったぞ!? と、とりあえず再度挑戦してみる。
さっきのところまでたどり着いた。
今度はゆっくりと注視しながら歩いていくと……茂みに隠れているうっすらと伸びる獣道があった。草木が倒されているけど雑草が生えている。この道は砂利なのにここは雑草生えているのか。どうりで気づかなかったわけだ。見落としていたわけだ。同化していたから。
私は脇道を進んでみた。
すると、デカい湖が私の目の前に現れる。
清く澄んだ水。湖の底が見えるかのように透明で……なんていうか魔力に溢れている感じがする。ここに魔物がいると聞いたけれど……そんなのは見当たらないな。
すると、いきなり私は湖に突き飛ばされた。
「はあ!?」
ばっしゃーんと水音を立て水柱を上げて湖に落ちる。そして、湖から顔を出して辺りを確認するとなにやらもわっとしたような感じの場所がある。
あれが敵……なんだろうか。とりあえず攻撃してみると、敵は姿を現した。
「カカカカカッ!」
「カメレオン!?」
どうやら、周りの景色に同化していたカメレオンが討伐対象モンスターらしい。
アンデッドでなくて安心した……のもあるけれど、それと同時にちょっと不安がある。カメレオンが景色に同化してしまったら私は見えない。見て躱す、というのができないんだよ。
透明になったわけじゃないしよく見てみればどこにいるかはわかると思うけど……。でも、集中力を要するよな。
「……チリン達も連れてくるべきだった」
私は、武器を構えた。




