第二回 種族限定イベント開催①
話し合った結果美鈴……うぉたぁのレベリングとなった。
さすがにこのエリアで7はまずい。私みたいにワンパンでやられてしまう。いや、まあ、美鈴もスペック化け物だし大丈夫かもしれないけど……。
「ふっふっふっ……私とお姉ちゃんの共同作業だね」
「なにその初めての共同作業的な……」
「ところでお姉ちゃん、好きな人いる?」
「何急に。いや、まあ、いないことも、ない」
真野ちゃんだけど。
「……そう、なんだね。わかった」
と、怖い笑みを浮かべてナイフを構えていた。
まるで怒りが湧いているかのように……。というか、怒ってる? 何がトリガーとなっているんだろう。
すると、飛んで火にいる夏の虫。カモシカが目の前に現れた!
私の眼に入った瞬間、すでにカモシカはやられていた。え、一瞬だったけど?
「動物に恨みはないがお姉ちゃんの好きな人が憎い! その人を殺すように……ふふっ」
なにこのブラック妹!?
「私は血がつながっているということと同性だからお姉ちゃんと結婚もできないってのにぃ! くっそおおおおおお!」
なんだろう。別ゲーム見てる気がする。
カモシカがやってくるたびに一瞬でポリゴンと化すカモシカ。正直、カモシカが可哀想に思えてくるほどに妹は荒れていた。
「八つ当たりじゃあああああ!」
「……これ私いらないよね」
私は、美鈴の姿を見ないように第一層エリアの街に戻っていった。
普通初心者って「ふぅ、倒せたー」っていうような感想を抱くはずなんだけどなんか憎しみや憎悪の感情がこもっている。
正直、怖い。いや、あの目……殺人鬼の眼だよ。もう何人か殺してきましたーっていうような目つきだよ……。
第一層エリアの精霊樹の前に来ている。
死に戻ったわけでもなく、ただ、精霊たちが導いた……。相変わらず子供に見える。可愛い。
それはそれとして、精霊樹も立派に育ったものだ。私が見たときは枯れそうだったのにもう巨木となっている。幹も太いし葉ぶりも良好。見違えるほど変わったな……。
だけど精霊がここに呼び寄せるなんてどういうことだろう。またイベント的な何かが始まるのだろうか。
すると、背後から声が聞こえる。
「ふむ、ここか」
「立派な木だなあ」
「…………」
「神秘的だぜ……!」
「うおっほぉー! 巨大な大木ですねぇ!」
「見事な大木……」
あれ? プギーに、トロフィさんにロトさんにガガトツさん、ミソギさん? それに見ない人もいる。
「ありゃ、精霊王。いたんか」
「もしかしてミキさんも精霊たちに?」
「あー、まあそうだよ」
それにしても私たちを集めるって何を企んでいるんだろう。
その時だった。
『集いましたね。七人の王たちよ』
大木から声が聞こえた。
不意にイベントは訪れる。
今頃チリン達にもでてますね。ヒューマン限定とか獣人限定、エルフ限定など種族に限定クエストは一つ以上ありますしね。
ゴーストという恐怖から逃れられたけど、まだ不幸は続くかも?