病院って…
アクアの背にまたがって幽霊船を脱出した。
「あ゛ー怖かった……」
一安心。
脱出出来て安心したのか私は後ろに乗っていたマーヤに背を預けた。力が抜けた感じがする。なんか、一生分怖がったような気がした。
もうやだよ。幽霊船なんか二度と乗るもんか。
「さすがにもう乗りたくないね。疲れたし」
「はい……。怖かったです」
「ゾンビも無駄にリアルだったし……さすがにこんなのも手を入れるか」
運営憎むべし。
まさかデュラハンになるとは思ってなかったよ。首と胴体が分離とかありえない体験をした。それはちょっと新鮮だけど怖いものは怖いのだ。
ほんと死ぬとこだった。
「……今日もうログアウトするのも怖いんだけど……」
「……今ログアウトしても昼だよ。怖くないと思うけど」
「病院という場所自体が怖いんだって!」
だって病院って……出るでしょ?
前仲良くなった看護師さんから怖い話を聞いた。あの病院には……。
『ねえ知ってる? この病院には、出るのよ?』
そう切り出してくる看護師の真壁さん。
『私がね? この病院で夜勤当番だった時の事――
私はナースステーションで一人夜食を食べていて飲み物がほしくてエレベーターに乗ろうとするとね……? なんと独りでにエレベーターが動き出したのよ……! 何も押してないのにエレベーターが開いて……怖くて階段を使ったわね』
という話を聞いてエレベーター使いたくなくなった。
真壁さんは大の怖いもの好きでオカルトの類が結構好きらしい。たまにいたずらのように私に喋って私を怯えさせては叱られている。尚懲りない模様。
「……昼には出ないでしょ」
「夜になったらが問題なんだよ……。一生ゲームの中にいようかな」
「それは死ぬからダメ」
「うぅ……」
なんで骨折なんかしてるんだ私!
もう六月に入るぞ! 気合いで直せよ私! あー、おうち帰りたい……。病院怖い。いや、まじで。病院は昔から好きじゃないのにさぁ……。幽霊出るから。
夜の学校も嫌い。
学校とかって大抵墓地の上に立つからね……。だから出るんだよ。
「でも病院って怖いですよ……? 私は個室なので心細くて……。結構びくびく怯えてますから」
「そう?」
「なんか、見知らぬ人でも誰かと一緒がいいなって……思うんですよ」
「私は一人のほうが落ち着くけど」
「それマーヤだからだよ……。でもマーヤ個室にはしなかったんだ」
「……隣にミキがいるって聞いたからそうしただけ。退院するって聞いたからそこにしてくれって頼んだんだよ。暇しないでしょ」
と、マーヤが照れながら言った。
……可愛い。
決意が鈍らないうちに言っておこうかナ…
この物語のラスボスの構築は既に練っていて最終回はそこだと言っておきますね。
話数で言うと絶対に1000話はいきません。900行くかどうかも怪しいところかも?
第十層エリアがこの物語のラストエリアになると思います。
まぁ、最初から終わるのは第十層だと決めていたんですがね。
決意が鈍らないうちに言っておきたい。作者結構ゆるゆるだから決意とかしておかないと自分ルール破っちゃ〜う…
終わるまでどうぞお付き合いください。