鍵のない牢獄
地面に降り立つとチリン達が駆け寄ってくれた。
「ありゃ、結局ミキもきたの?」
「無理やりね……」
私はチリンの腕をつかみ立ち上がる。
ははは、怖いわやっぱり。無理だわこれ。どうしたらいいの? 私絶対このエリア直視しなくなるよ?
「む、妹さんって聞いたけど似てないな」
「そうだね。なんかこっちは可愛いっていうより美人って感じがする」
まあ、美鈴は胸もどこをとっても母さん似、私は父さん似だからね。
「初めまして。こっちの名前はうぉたぁです。種族は機械人間。暗殺者の職業です。よろしくお願いします!」
「私はエルルゥ。職業は騎士だ。よろしくな」
「ボクはルルーク。職業は狩人だよ。よろしく」
「俺はユキショウグン。職業は神官。よろしく」
「私はぁ、サンだよぅ。鍛冶職人でーすぅ」
一通り自己紹介を終えた。
「さてと。ミキがいない間人がいるところを見つけたんだ。そこいこうよ」
「……わかった、けど、手は、離さないでね?」
「わかってるって。じゃ、いこうか」
街らしきところにはついたん、だけど。
どうも様子がおかしい。ゴーストタウン、なんてことじゃないよね? 大丈夫だよね? いきなり露天商の人は幽霊でしたーとかないよね?
「一通り情報収集はしておいたよ。このエリアの通称もね」
「通称?」
「ここは一種の牢獄らしい。この街も囚人が作った街。外の世界の人に鍵のない牢獄という通称で知られているらしい」
洒落てる名前!
「ここに出てくるモンスターはゴースト、そして番犬らしい」
犬もモンスターなのか!
番犬ってことなのかな? ふむふむ。番犬ぐらいなら私も相手どれそうだ。
ここは牢獄……ゴーストは成仏できなかった囚人の魂ってことだよな……。たくさん死んでいるってことだろう。これ現実にあると相当怖いぞ……。
「監獄なだけあって夜は看守が徘徊してて見つかるとキルされるらしいから気を付けてね……だって。夜外出することは控えたほうがいいね」
なるほど。夜には看守の目があるということ。
これもキークエストに使われそうだ。夜の時になにかやれというクエストがでるだろう。なにか隠蔽系のスキルとか取れるかな? 闇魔法でどうにかならないだろうか。
というか、そもそもこんなところに看守なんて来るの? 住み込みで働いてるわけじゃなさそうだしなあ。
となると、看守は……。
いや、人間さ。住み込みで働いてる人間。大丈夫。怖くないよ。
「さて、話はこれで終わり。今から何しようか」