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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
九.五層エリア 【痛みのセラピー】
760/856

楽しかった

 そういえばこれがあった。


「これあげるよ。うちの錬金術師が作った薬」

「なんですか?」

「動物変身薬っていって……」


 と、その時ハチはそれを飲み始めた。

 うわぁ、動物になると見境なくなるとかまるで私みたい……はっ。いや、私は違う。私は見境はあるよ。うん。

 すると、ハチの体が縮んでいく。そして、猫になっていた。


「猫になってます!」

「うん。猫だね。品種でいうとなんだろう」

「この短い毛……自分の姿見れないのでわからないんですけど多分アビシニアンかな?」


 詳しいな。


「うわ、騒がしいです! ジャンプ力もこんなに! 猫の身体能力ですね!」


 と、興奮気味にはしゃいでいた。

 すごい熱狂ぶりだな。まぁ、楽しんでるようで何よりだよ。というか、獣人は選ばなかったの不思議だな。人間種だったし獣人はなんで選ばなかったんだろう。


「なんで獣人にはしなかったの?」

「……えっと、あれ耳が動物の耳で尻尾が付いて他人間じゃないですか。その、それは獣人っていうよりコスプレだなって思って……。獣人は二足歩行の獣じゃないとダメなんです」


 ああ、なるほど。

 つまり狼が二足歩行で人間のようにしてるやつとかを獣人と認識しているらしい。そこらへんは作品によって違うからなー。人間よりか動物よりか。

 私は人間よりのほうが好きっちゃ好きだけど……。


「そういえばこの薬ってどうやったら元に戻るんですか?」

「時間経過で戻るよ。それまで遊んでたらいいよ」

「そうなんですか!? じゃあ目いっぱい遊ばせてもらいますね!」


 と、ものすごくはしゃぎまわっていた。






 動物変身薬の効果が解けて、我に戻ったのか「お見苦しいところをたくさん見せてしまいすいません」と謝ってきた。可愛らしかったし別に気にしてないよ。


「……ありがとうございました。今日は。その、楽しかった……です。よかったらフレンドになってくれませんかっ……!」


 と、恐る恐る手を差し出してくる。

 私だって楽しかったんだ。こう、遊ぶのも悪くないと思ったし、いじめられていた仲間だという思いもあって、いろいろと感情がごちゃ混ぜになっていた。

 心を開いてくれたんだろうか。そう思ってもいた。


「うん。いいよ。私でよければなろうか」


 フレンド申請を許可した。

 ハチはログアウトしていった。私も満足感に浸りながらログアウトする。






 ☆ ★ ☆ ★



 ヘッドギアを傍に置いた。


「……あんな先輩がいたんだ」


 私はそうつぶやいた。

 あの人の前なら安心できた。私自身を見てくれていて、私自身のためを思ってくれて……。私の味方になってくれた。

 飛び降りもしてみるもんだと思ってしまった。


「美咲先輩……だよね。もっと遊びたいな」


 学校の先輩として、そしていじめられていた先輩として。

 美咲先輩からいろいろ学びたいことがたくさんできた。死んでいる場合じゃない。


「……美咲先輩なら私はついていけそう」














美咲教が広まっていく

あと明日の更新はないと思ってくださいませ…

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
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読んでもらえると嬉しいです。
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