呪いの唄を聞かせたもう ②
ガシャドクロは、攻撃をやめた。
そして、声が聞こえる。唄? 何かの唄が聞こえる。すると、みんなひざまずいた。体が重い……? 私のステータスを見てみると呪いと書かれている。
ああ、そうか。クエスト名であった通り呪いの唄だこれ! 聞くと呪われるというものだ。耳栓があれば防げそうだけど耳栓?いらねって感じだったしみんな持ってるわけないんだよ!
ガシャドクロの攻撃が来る――
「あまーーーい! みたらし団子よりあまーい!」
と、フブキがその攻撃をはじいた。
「アンデッドや妖怪には呪いは効かないんだよねえ! 同族がいたのが運の尽きィ!」
助かった。今のうちに!
「ヘイトが溜まるけど……! 状態異常回復!」
みんなに片っ端からかけていく。
ああ、まずいな。支援系の中でも回復魔法が一番ヘイトを溜めやすいんだっけなぁ。完全に私狙いになっただろうな。
ガシャドクロの顔がこちらに向いた。やっぱり真正面から見ると怖い。恐怖で足が……。逃げるわけにはいかないしどうにかして躱さないと……。
へ、変化の術!
狐に変身した。
「ミキちゃん動物形態!?」
「うちと同じ仲間や!」
この体は図体小さいから多少なりとも小回り効く! MPとか少し減るけど仕方ないだろう!
「ミキってもうなんでもありだな……」
「と、とにかくやっちゃってえ! すっげえ私狙ってて怖いんだけど!」
「わかったよ!」
ちまちまと回復魔法をかけてやっと体力半分まで削った。
ガシャドクロの骨が少し地面に落ちる。そして、ガシャドクロは再び口を開いた。唄が聞こえる。状態異常回復の準備をしていると突然吹っ飛ばされた。ダメージを受けてみんな瀕死の状態になっている。全員体力10になっていた。割合攻撃!?
みんな一撃でも貰えば死は確定。さすがにこれは範囲回復を使うしかないんだけどさ、これには問題がある。最大級の回復魔法を使うと全回復(MPも含む)する代わりに私のヘイト値がフルになる。しばらくは私だけを狙う効果があっていつもならそれでいい。けど自前バッドステータスによる効果で躱しづらくてやると絶対といっていいくらい死ぬ。
だけどやるしかないよなぁ! 頑張ろう。うん。
「フル回復!」
緑いろに染まる地面。みんなの体力を全回復させた。その瞬間、すぐに私に腕の攻撃が飛んでくる。危機一髪で躱すけれど連撃が私を襲う。
これだから嫌なんだよ……!
タゲが私に向いてるのはいつものこと。いつもなら喜んだ。
今喜べない! いつもなら華麗に躱せるけどこれ無理! 絶対被ダメするって! だってまじまじと見れないもん。見て躱すっていう技ができそうにないもん。
これでも勇気出したほうなんだよ? 蛮勇だしたんだよ?
「ひいいいいいい!?」
これ現実だったら絶対ちびる! 一人で夜トイレいけなくなるやつ! 今でもちょっと怖くておっかなびっくり行ってるのにこれ以上怖くなって溜まるかよぅ!
早く! 早く倒して!
ミキは避けタンクでヒーラーです。回復魔法はタゲを取りやすいのでミキには一応あってはいるし、多分そっちメインにした方がいいんですね。多分精霊王にならなかったらヒーラー一筋になったかな?
ただアンデッド相手になると避けれないヒーラーになるので基本的にお荷物です。運営狙ったのか?




