第九層を抜ける手がかり
A2Oにログインした。
そろそろ本格的にストーリーを進めたいけれどどうしたらいいかいまだにわからない。なのでイナリの背に乗ってとりあえず適当な方向に向かって走ってもらう。この世界の全部を把握は難しいかもしれないけれど、それでも知れるところは知っておきたいし、なんとなくだけどなんかこっちにある気がする。
すると、なんだか不思議な村というか、見たことがるような村があった。村というか、国?
「すっげえワノ国にそっくり……」
木造の小屋に聳え立つ城。
なんていうか、あっちの世界でのワノ国にそっくりな国だった。
「ほう。ヤマトの国。噂には聞いてけどこんなんなんやなぁ」
「ヤマトの国?」
名前ももろワノ国みたいじゃねえか!
でも、なんか怪しい匂いはする。いや、まじで。というか、私の勘だとここに第九層突破の鍵があると踏んだ。
だって、ワノ国に第九層に行けるトラップ? ゲート?があったんだ。多分似たようなところにあるんじゃないかとはうすうす思っていた。けれどもそれはどこにもなかったし、発見もできない。尚且つ地図があっても隣国までは乗っていないということ。
ヤマトの国の存在は知らなかったわけで。似たようなところは探してはいたけれどこうして発見できたのは初めてだ。
「……おっ、いいにおいするなぁ。ミキ、寄ってええか?」
「いいけど……」
というとイナリは瞬く間に駆けていく。
ついたのは豆腐屋だった。豆腐屋?なんでだろう。と思っていると主人が奥で油で何かを揚げていた。ああ、そうか。豆腐ってあれになるんだっけ。
「油揚げ……」
「上質なものと踏んだわ。おっちゃん! 油揚げ一つ!」
「あいよ~。揚げたてがもう少しでできるからまってな」
イナリの大好物は油揚げ。
まぁ頑張ったしそれぐらいは揚げてもいいだろう。とりあえず私の所持金から油揚げの代金が減っていく。
おじさんが油揚げを水に浸している。ああ、油抜き? 料理に使う前とかやるやつか。そのまま食べることを察知したんだろう。出来るなこの人。
「おまちどぉ」
「うっほぉ! 美味しそうやなぁ」
皿にのせられた油揚げを一つぱくりと食べていた。
「うんまいなぁ。何個でもイケるでこれ」
「それはよかったね。ところでおじさん」
「なんだい?」
「ここらへんで結構強大な力を持ったモンスターとか、いない?」
「あー、噂程度なら知っているが」
「まじで?!」
早速ヒット!
噂だけでも大歓迎。
「なんでも、ある妖怪を倒すと異世界に行けるという話だ」
「ある妖怪?」
……なんだろう。すごくやりたくなくなってきた。
私のテンションが駄々下がりしてく。ああ、これはダメな系だ。そういえば、日本って妖怪がボスになりそうだって思ってたんだよ第五層でも。あの時は忍者だったし簡単だったなぁと思ってたけど。
運営、やりやがったな……?
「毎晩、川のほとりに現れては笑う骸骨らしい」
「ああ……」
妖怪ってだいたいがアンデッドに属するだろう。いや、まあ、それはいい。例外としては雪女とかアンデッドじゃなさそうだとは思う。
だけどさ、骸骨って聞いたらもうアンデッドじゃん! うわぁ、テンション下がるというか、やりたくねぇ……。
というか、何がボスになるか察知しちゃったじゃねえか。
「アンデッドがボスって第三層と同じかよ……」
萎えるわぁ……。
ミキちゃんが萎えたボス二体目。そろそろ第九層突破も近いかな?
第九層で現実回も結構ありながらも200話は使ってる。