天照大神 ①
「嫌だ! わたしゃ絶対ここからでんぞ!」
なぜ、今私はこの岩の前でそういうことを聞いてるんだろう。
それは、少し前にさかのぼる。
「のうミキ。ちょいと相談があるんじゃが」
邪神ちゃんが私のところに来てそういい始めた。
お願い。とてつもなく嫌な予感しかないけど聞いた。すると、ある神を連れ出してほしいとのことだった。それを聞いた途端、ある神話を思い出した。日本の地味な神話。
日本最古のひきこもり。天照大神。
「……つまりアメノウズメになれってこと」
「あめのうずめ?」
「いや、こっちの話」
断る理由はないしいいでしょう。
とまぁ、こんな感じ。
名前はアマテラスというらしい。天照大神じゃねーか。
「カミサマツカレタマジヤメタイ」
「あなたも一応偉い立場なんですから仕事に責任もって!」
「嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃー! わたしゃ疲れた! もう部下が最高神でいいよ! わたしゃ冴えない一般神として生きてく!」
そう駄々をこねる。
「きちんと仕事をしましょう。それが最高神の務めです」
「好きでなったんじゃないわ!」
「なってしまったんです。ほら、仕事は必ず終わりますから」
「じゃが次から次へとくるんじゃろう?」
「はい」
「無限ループの闇に囚われたくない!」
わかる。
で、今説得してるのは側近だというオオヤマトさん。天使らしい。
「じゃあまず仕事をする努力をしましょう。努力は実を結びますから!」
「そういうことをいえる人は全員成功した人じゃ! 全員勝ち組だからそんな甘ったるいこと言える! 努力は実を結ぶわけではないわ!」
それな。
なんだろう。アマテラスさん好きだわ。
「それに、なんで女神連中巨乳が多いんじゃ! わたしゃの身にもならんかいボケ!」
「わかる!」
貧乳仲間でもあったか!
「……のうミキ。なんかお主アマテラスの味方になってはおらんか?」
「な、な、なってないよ?」
「わたしゃをここから出したいならまず巨乳の神を全員叩き潰してきなさい。話はそれからです」
「おー! 巨乳全員潰すぞ!」
「ミキ!?」
巨乳は敵だ。排除すべき敵なんだ。
私は天岩戸の前に立つ。引きこもりが何だ。同志じゃないか。仲間を無理にだすわけにはいかない。私は神を敵に回してでもアマテラス様を守るぞ!
「アマテラスさんは引きこもりたいんだ! その邪魔をさせるか! ミカエル、ルシファー! 一緒に防衛!」
「……本来私たちはいさめないといけないのですが、主のためならば」
「ごちゃごちゃ考えるのはめんどくせーだろ。神相手にどれだけ戦えるか測るいい機会だ」
ルシファー、ミカエルを召還し、邪神ちゃんたちと対峙する。
貧乳仲間に悪い奴はいないんだよ!