いじめはなくならない
書いてるのは令和元年五月一日です。令和初執筆。
いじめ、格差。そういうのは絶対になくなったりしない。
人には優劣があり、才能の有無があり、そういうことを踏まえてみるとランクが勝手に決められる。今はそういう時代だ。士農工商などという身分差があったりなど、ランク付けは昔からといえるだろう。
ランク高い人ほどランク低い人を見下し、いじめる。それはなくなったりしない。
そう、絶対に……なくなったりしない。
「…………」
「み、美咲。なんでそんなじーっと見てくるのかな」
今、私はメイド服に身を包んでいる。
高校二年生の七月。文化祭の時期だ。文化祭で誰かが漫画の影響かメイド喫茶をやりたいといいだした。女子は「えー、嫌だよー」と口では否定していたけれどやりたそうにしていた。
私は断固拒否した。
だってさ。
「なんでこんな胸強調されるんだよ! 私にも分けろ!」
「美咲……その、痛いから叩かないで」
みんなの巨乳自慢を受けるいじめとなっていた。
このクラスは巨乳の寄せ集めって感じがしてやばい。私以外Cはある。低い人でCだよ? なめてんの? なんで私だけ一人特異点みたいに壁なの?
私なんかCもないんだよ。前にいじめられてた時に言われた。AAAだってなめんな。
「みんな胸出ててエロイなぁ」
「……どんまい」
「慰めなんかいらないんだよ……! 同情するなら胸をくれ! ……同情するなら胸をくれ!」
「二回言わんでも……」
何が悲しくて私がメイドなんかをやらなくちゃならないんだよ。いらっしゃいませご主人様じゃないんだよ。クラスの男子の眼はみんな強調されてるおっぱいにいってるんだよ? 私になんか見向きもしない。まずそれが解せない。
そんなにおっぱいが大事なのか!? 世の中おっぱいしかないのか!?
「おっぱいデカいね!」
「……別に言われても構わないけど男子。お前らそれ私たち以外にいったら立派なセクハラだからな?」
「理解してる上で言ってる」
「タチ悪いだろう」
と、ふざけた会話も聞こえる。
男子は欲望にまみれた視線を隠さずに話すし、女子も笑ってそれを流している。
「珠洲ちゃん、揉ませて!」
「嫌だよばーか。そんな下心しかないやつらに揉ませるかっての」
「……私のなら」
「あ、貧乳はいいです」
くそが!
……なんで去年の文化祭の夢見てるんだろう。
というか、なんでみんなおっぱいばっかなんだろう。目が覚めると夜の三時だった。メイド服なんてもう絶対着ない。
「…………」
私は自分の胸に手を当てる。
……去年と何ら変わってない。鶏のから揚げとか食べてるのに。大きくなるためにマッサージとかしてるのに。微動だにしないこの頑固さ。
「……巨乳死すべし」
巨乳が死んだら世界は貧乳しかいなくなるんだよばーか!!
タイトルを真面目にした。でもタイトルは嘘は言ってない。嘘は。




