表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第九層エリア 【さらなる世界へと】
722/856

イナリの村防衛記 ③

間違えて13時にしちゃってました

 吸血竜ヴァゴンは村の中心に降臨した。


「誰だァァァ! 俺様の精鋭をぶっ潰した奴はよォォォ!」


 と、咆えていた。

 うちはヴァゴンの前に立つ。


「うちや。ここはうちがナワバリにすることにした。大人しく消え去れ」

「消え去れ? てめえ、月下狐か。月夜でしか動けない雑魚が、俺様に指図するっていうのか!?」

「これでもうちは高ランクの魔物や」


 ヴァゴンは嗤う。


「縄張りは百歩譲っていいとしてもよ、お前はなぜ人間の肩を持つ! 魔物は人間を襲う! 常識だろうが!」

「はん。うちは別に人間を襲おうなんていう考えはしとらん。うちら月下狐は温厚なんや。それに、無意味な殺傷はうちは嫌いやっちゅうこと。お前も続けんならこっちにも考えがあるで」

「無意味な殺傷? 甘いな! 殺すも傷つけるのも魔物だからするだろう! 本能ってやつさ! 全部俺様の本能! 俺様の勝手だ! 傷つけて何が悪い!」

「悪うない。悪うないが、ならうちも自分勝手で守らせてもらう。それだけや」


 カイザー。はよこいや。

 月も出ていない昼間では本来の力が出せへん。うちの本領発揮は夜。今は昼。力がでえへんのや。こういう枷があるからこそ、夜は強くなる。

 攻めて夜やったら、救いようはあったんやけどな。


「それに、うちをはよ倒さなうちの仲間がくるで?」

「面白い。月の下ではないキツネがどこまでやるか試してやるよォォォ!」


 ヴァゴンは咆えた。

 咆えたと同時に自慢の牙を持つ口で噛み付こうとしてくる。うちは身軽。そんな鈍重な動きだと避けれるわ。だがしかし、決定力がない。力が半分まで下がっている。月が見えていれば、本来の力が出せるのに。


「ほらほら、どうしたんや? うちを倒そうとする威勢だけは立派やな? そんな攻撃じゃうちに当てることはできへんで!」

「だまれだまれだまれ! 血を吸ってやる! 吸いつくしてやる!」


 尻尾をぶんと振り回す。尻尾を踏み台に空へとジャンプした。

 そして狐火を展開する。狐火はヴァゴンを包む。大したダメージにはならへんが、時間稼ぎにはいいやろ。そして、ここは王都とそんな離れてない。すぐにくるだろう。だから、持ちこたえるのは数分だけでええんや。


 つまり、もうそろ来る。


「ガアアアアア!!」


 来た。

 上空を見上げるとライオンのような顔をし、赤い液体を身にまとっているカイザーが現れた。その姿を見てヴァゴンは怯む。


「な、なぜカイザーがくるんだよ! お前もここ狙ってるのか!」

「違うよ。イナリがピンチだって言うからかけつけてきたんだ。僕が来たからにはもう安心だよ。吸血竜ヴァゴン。僕が相手するよ」

「こいつの血は爆発性を持つ……! くっ、逃げるぞ!」


 と、飛び立とうとしたがカイザーがその上にのしかかる。爪で持ち上げてそして、上空へと連れ去った。

 必殺技をやるつもりやな。ヴァゴンは離せと暴れている。


 だがしかし、もう遅い。


 カイザーを中心とし、デカい爆発が起きた。















ヴァゴン「潰してやる」

怒りを食らうミキ「粉砕、玉砕、大喝采!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ