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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第九層エリア 【さらなる世界へと】
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イナリの村防衛記 ②

 冒険者が山のほうをみて並ぶ。

 ちらちらとうちのほうを見ているのは気のせいやないな。うちも一応モンスターやしな。


「き、来たぞ!」


 斥候が様子を見に行った。すると、ゴブリンやオーガなどのモンスターが大量に山を下りているらしい。ふむ、鬼。となると指揮してるのはAランクモンスターのエンマオーガの可能性があるな。

 ま、余裕やろ。


「あれはCランクの絶オーガ!?」

「Bランクも交じってやがる!」


 冒険者が騒ぎ出す。

 しゃあないなぁ。うちが一掃したるわ。


「うちがやるから取り残したら対処頼むで」

「へ?」


 うちはかけていく。

 たかがBランク如きが調子乗るんやないで? うちは残念ながら人間側や。驚け。うちがいるタイミングで襲うのが運の尽き。

 覚悟しろ魔物ども。うちは自力でSランクに上り詰めたんやで?


「狐火!」


 炎の玉がゆらゆらと空中に浮かぶ。

 ククク、戦うのは楽しいなぁ! ほら、そんぐらいでバテるなや。うちをもっと楽しませろ。モンスターの血が騒ぐでえ!







 結果として魔物を全滅させた。

 多少森が焼けたりなどしたが人的被害はゼロ。うちを村に入れてくれる約束の為に村を防衛した。ふふん、いい仕事したわ。


「お、終わり!」

「いや、ちゃうで」


 冒険者の一人がそういったのでうちは否定しておいた。


「な、なぜですか!」

「こういう魔物が大量に押し寄せてくる、となると指揮しているモンスターがいる。Bランクもいることから最低でもAランク。最悪だとSランクあるんちゃうか」

「は?」


 冒険者がみんな絶望したような顔をする。

 Sランクとなるとそらもう手ごわい。この国のSランク冒険者でも敵うかってぐらい強い。うちのところにも何回かSランクの冒険者が来たが返り討ちにしてやった。


「そ、そんな化け物の可能性もあるってことかよ」

「し、死にたくねえ!」

「……あのなぁ。うちを誰やと思っとる」

「月下狐?」

「Sランクじゃねえか!」

「味方だと頼もしい!」


 そういわれた。

 だがしかし、今現在は昼の時刻。せめて月がで取ったらいいのやけれどな。


「だが今昼やからうちは勝てへんな」

「ええ!?」

「じゃあどうすれば!?」

「だから王都にいって兵士にカイザーをユウマ村に寄越せといえばいい。うちの名前出したら一発で出してくれるわ」

「俺がいく!」


 と、一人の冒険者がそういって駆けていった。近くに馬の厩舎があるらしくそこで馬を借りていく。さて、うちはAランクのエンマオーガやと予想したが、その予想は正解か?

 そして、冒険者がかけていったと同時に何かしらの咆哮が聞こえてくる。


「……やばいな」


 この咆哮は、ドラゴンや。


「うちが耐えとくから死にたくないやつは帰りや! やばいのくるで! まさかあいつやと思っとらんかったわ!」

「な、なにがくるんだよ!」

「見たらわかるわ!」


 と、その時山から何か飛んでくるのが見えた。

 吸血竜ヴァゴン……。Sランク指定のモンスター。ああ、昼なのが恨めしいわ! カイザーなら相性がいいんやがうちは苦手なんや!

 そもそも、見た目きしょいねん! ゾンビを思わせるかのようにところどころ腐食しているしな! きしょいねん! だから嫌いやねん!


「な、なな、なんでこんな村にこういうのいるんだよ!」

「わからんわ! とりあえず逃げろ!」


 みなは脱兎のごとく逃げだした。











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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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