ルルークの日常
ボクの名前は篠田 ルルーク。母がドイツ人で父が日本人のハーフ……。もともとはドイツで生まれたけど小さいころ日本に越してきた。
そして、水鏡 絵瑠という子と仲良くなって今に至る。
「ルルークくん。覚悟はいいかな」
「はい……」
ボクは派手な衣装を着て、なぜか舞台裏にいる……
ボクは芸能人というわけでもないし、俳優とかでもない。ただ、演劇部だということ。ただ、その配役が気に入らない……。
「ああ、シンデレラ!」
な ん で ボ ク が お ひ め さ ま や く な の ! ?
ボクは男の子だよ!? 女装癖なんてないしもっと男っぽい役……王子様とかそういう役やりたかったのに、いつもボクにはお姫様だとか女騎士だとか女子の役しか与えられないの!?
うううう! 部長は横暴すぎるよぅ……。なんでボクに男役を勤めさせてくれないのかな……。王子様になりたくて演劇部に入部したんだけどなあ……。
「お、王子様……」
「カット! ルルークきゅん! もうちょっと役になりきって! 恋焦がれるシンデレラの気持ちわかるでしょ!?」
わかんないよ!! 少なくとも恋する乙女の心情なんてわかんないよ! ボク男だしね!?
「はい、もう一回!」
「おお、シンデレラ!」
「お、王子様ぁぁぁぁ!!」
「そう! それよぉ! 私が求めていたのは、そ・れ♡」
……だれかボクを男にしてくれないかな……。
演劇部の稽古が終わり、家に舞い戻る。
ボクは一人暮らし。父と母は二人でドイツで悠々自適と過ごしている。ボクは日本がいいということで残ったけどね。
「……A2Oにログインしよう」
ヘッドギアをかぶり、ゲームの中に入っていった。
ゲームではボクは狩人。弓で遠方を攻撃するどちらかといえば遠距離アタッカーとサポーターを兼ね備えた職業。矢はグレードがあって底辺が木の矢。最上級がオリハルコンの矢。
ボクはまだ鉄の矢なんだけどね……。
「ふぅ。第二層エリアの敵も狩れるようになってきたね」
弓というのは補正がかかるものの上手く扱えないと外しやすい。上級者向けって言われているらしい。ボクはこういう射的系得意だしなによりシューティングゲームが好きだ。これはシューティングというよりFPSに近いと思うけど。
「あれ精霊の守護者のルルークじゃね?」「かっこいい僕様系かと思ったけど女子かよぅ……。エルルゥ×ルルークのカップリングがぁ……」
かっぷりんぐ?
というか、ボクもちょっと有名になったかな。精霊の守護者といえば有名になったしね。第一層エリアボスのゴブリンキング討伐、第二層エリアの時計台の討伐。二つに関与しているから、有名になる。チリンさんのもとには相変わらず入りたいと言ってくる人がいるらしいし、ボクのところやエルルゥのところにもくる。
不思議なのがミキさんのところには誰も行かないんだよね……。
「……よし。覚悟を決めよう」
ボクは弓を抱えて歩き出す。
目指すは第三層エリア。ボク一人で未知のエリアに向かってみよう。ボクもちょっとは強くなったんだ。きっとやれるさ。
次から3層エリアだあああああ!!