朝焼け怪盗団 アカ
ふと王都を歩いていると指名手配の紙が掲示板に貼ってあった。
殺人などの罪で問われているらしい。捕まえるとお金がもらえるというわけで。小遣い稼ぎにはいいかもなと思っていると、知っている人の写真が目に入った。
「セイレーン……?」
なんと、セイレーンが指名手配されていたのだった。
この前の盗みが原因となったんだろうか。でも、そういうわけでもなさそうかな? 結構泥棒家業やってそうだし以前から指名手配はされてそうだ。
そして、下にはセイレーン及び朝焼けの怪盗団のメンバーを連行してきた場合は半額の金額を与えると書いてあった。
察するに朝焼け怪盗団のトップがセイレーンなんだろうな。
「セイレーン以外顔知らないし意味ないか」
「そうでもないよ?」
と、どこかから声が聞こえる。
街娘の格好をした少女が掲示板の上に座っていた。それも手紙をもって。ひらひらと私の前に手紙を落としてくる。
私に? と思って開けてみると、差出人はセイレーンからだった。
「ボスもこの女は大丈夫だって言ってるけど本当かなー?」
「……誰?」
「ああ、私? 私は朝焼け怪盗団のメンバーの……んーと、コードネームはアカ」
「アカちゃん……」
「その呼び方は嫌なんだけどなぁ。アカって呼び捨てで呼んで」
「わかった」
セイレーンの手紙を読んでみる。
ゴエモンを心配するような内容だった。ゴエモンは二つ名がついて泥棒していますって伝えたほうがいいんだろうか。
そう思っているとアカが地面に座りこんだ。さっきからちらちらみているのは兵士さんだった。
「最近変な泥棒が荒らしまわってるらしくて厳戒態勢だよ~。ほんとやめてくれないかなぁ」
「変な泥棒?」
「うん。盗みの技術はあるし喧嘩も強いらしいけどさー、うちらの仕事なんだからやめてって感じ」
「……その泥棒の名前ってゴエモン?」
「そんな名前だった気がする」
ゴエモンはこちらの世界でも有名になりつつあるらしい。
「なに、知り合い?」
「まぁ、仲間だね」
「そうなんだ。やめさせてよ」
「無理だよ。ゴエモンも泥棒が仕事みたいなもんだし」
「それ、ボスも言ってた。技術だけなら負けてるってボス笑ってたよ」
「無駄に高いしなぁ」
ゴエモンといえば日本でも有名な人。泥棒で。
石川五右衛門という泥棒。かっこいいと思ってる。
「ただ最近一緒に仕事してて思うのは喧嘩っ早いんだってさ」
「あー……」
ゴエモンの性格上ありうる。
ゴエモンは典型的な江戸っ子というか、売られた喧嘩は定価で買う人だからなぁ。そもそも、喧嘩も華だなんだと美学をもっているらしいし。
「ボスは殺生や殴り合いはしないで帰ってくるしボスはできる限り人は傷つけないと言ってるから正反対だよ」
「まぁ、泥棒だからね」
「ねぇ、本当にやめさせて。ボスいっつも苦笑いしてるんだよ」
「といわれても」
私の一存ではできかねます。
作者ミキの二つ名考えてみました。
候補がこちらです。
・生命の管理者
・命の息吹
・芽生えし神
・貧乳の神
この中だと一番いいのはやっぱミキを表してる貧乳の神?