殺戮の意 ①
6月15日以降に札幌いくことは確定かな…。
自分の運転で札幌行ったことないしな…。怖いなぁ、怖いなぁ。旭川までは余裕なんだけどなぁ
警備兵が走ってくる足音がどんどんと迫ってくる。痺れているのかセイレーンはまだ動けていない。
ゴエモンはそのお宝を懐にしまい、そして、窓をぶち破った。そして、ゴエモンは窓から飛び降り、持っていたガラスの破片を門番へと投げる。門番の肩を貫いた。
「セイレーン。どう逃げる?」
「どうするか……。とりあえず、変化の術」
と、ぼふんと煙が巻き上がると変化したのか、犬がそこにいたのだった。
どことなくセイレーンに似ている犬。と、頭の中に声が聞こえてくる。
『お前にも変化の術を教えるから動物に変身しろ!』
了解。
変化の術を覚えましたというアナウンスが響き、私はいそいで動物を思い浮かべて変身した。私が変身したのはもふもふの尻尾で黄色い体毛をしているフォックス。つまりキツネ。
『よし、この状態なら見つかりにくいだろう。今のうちに逃げるぞ』
『了解』
屋敷から出てゴエモンに追い付いた。
ゴエモンは宝を抱えて走っている。後ろはすでにだれもいないけれどゴエモンは遠くへ逃げようとしているらしい。
足が速く、そして、複雑に進んでいるために見失いやすい。
「ここまでくりゃあいいだろう。で、このお宝はなんだ……?」
ゴエモンが奪った宝を覗き込む。
壺のようなものを盗んでいた。白い陶器の壺。ゴエモンがふたを開けて覗き込む。と、その時セイレーンが前に割り込んだ。
「覗き込んじゃだめだ!」
「は?」
と、壺から黒い手がゴエモンに伸びていく。
陰。黒い手がゴエモンを包み込み、そして、ゴエモンの眼の色がどんどんと消えていった。その目は虚ろを除いており、表情がなくなっている。
まるでそれは人形のように。すると、ゴエモンはその壺を思い切り投げ飛ばした。
「くぅ! 泥棒の性か! 獲物を確認しようとするのを辞めろというべきだった!」
「…………」
黒い瘴気がゴエモンから出ていた。
目が虚ろ。表情もない。するとゴエモンは私に向かって拳を繰り出してきた。私は躱すと、今度は蹴りが飛んでくる。躱そうと飛び跳ねると、急遽方向を変えて上に蹴り上げられる。思いきりぶち当たってしまった。
「セイレーン! その壺は何!?」
「この壺は殺意の壺。あの宰相にプレゼントされたものだ。この壺を覗き込むと殺意が湧く。その殺意は形となって現れると言われてるんだが……」
「ということは、今のゴエモンは……」
「殺意の塊というべきだろう」
殺意の波動に目覚めた……。
殺意ゴエモンとでも言っておこうか。明確な殺意があるのか、吹っ飛ばした後も私を執拗に追いかけてくるのだった。
ゴエモンを元に戻すにはこの殺意をどうにかするしかない。




