月夜は冷たく嘲笑ひ ②
知り合い…なのか?
「こんにちは。うちはポセイの友達の月下狐といいます。以後お見知りおきを」
と、えせ関西弁で挨拶してくる狐。
戦う気満々だったんだけどなんだこれは。
「久しぶりに満月だったさかい、ものっそい喜んどったら人間なんかピリピリしとるで。ビビるっちゅうねん」
「……まぁ、貴方、危険指定モンスターですからね」
「うちがどないなことしたっちゅうねん! たしかに人間は殺しとるが、正当防衛やで! 剣を向けられて切りかかられてそれで殺すなというのが無理ちゃいまっか!? 殺されそうになっとるんや! 殺していいものは自分が殺されてもいい覚悟を持ったやつだけやで!」
なんだろう、悪いモンスターではないような気もしてきた。
「でも、最後に手をかけた男は普通に殺したんやが……。だけど、それは人間を思ってこその行動であり……」
「……どゆこと?」
「最後の男性は剣を捨て、うちに殺せと言ってきたんや。自分には不治の病がある、息子の前で病死するという情けない死に方を送るなら魔物に倒され殉職した方がいいとな。だから、うちが泥をかぶったんや! 望んでいた死に方をさせただけなんやで!」
うーん。この月下狐さんはいいモンスター、なのかな?
狐はだますのが上手いとかいうしこれももしかしたら化かしているだけなのかもしれないけれど、どうにも信じられないなぁ……。
「その口調が問題なのでは? 胡散臭いですよ」
「どないせえっちゅうねん! これがいつもなんや。狐と狸は化かすのが得意っちゅうけど、うちはそこまでせえへんで? にっこり笑って微笑む胡散臭いような輩とちゃうわい!」
「ですね。あなたは結構正直ですから」
「やろ? 人間腹割って正直に言葉をぶつけるのが一番やで。うち人間じゃないけどな!」
自分でツッコミ入れたんだけど。
さっきまでのやる気を返してほしい。私がそう脱力をしていると、月下狐の顔色が変わる。
「……なんかくるで。敵の匂いや」
すると、私たちの前に砂ぼこりをあげてなにかが落ちてくる。
茶色い毛皮で、丸い尻尾をつけた巨大な狸だった。鑑定してみると”月夜狸 ムーポンポコ”と表示される。狸は咆えた。そして、煙を上げた。
「おうおう狸! 懲りずにうちに挑戦しに来たっちゅうんか!?」
「ガルッ!」
「化かしあいなら負けへんで! 変身!」
すると、狐の姿がドラゴンへと変わった。ポセイドラゴンの姿……?
アクアの姿っぽいな。すると、アクアが私の隣に座る。
「あの月下狐。ああ見えてもSランクですよ」
「そうなんだ」
「あの狸はAランク。性能差があるので余裕とまでは行かなくても勝てるでしょう。ご主人様、一緒に観戦していましょうか」
「え、あ、うん」
私は茂みに隠れた。
狐がボスの条件
・ポセイドランゴン、カイザー・ボマー、桜の亡霊などのSランクが国の味方になっていない
狸がボスの条件
・Sランク一人でも味方についていること。
狐を仲間にする方法
・Sランクを仲間としてつれていること
狸を仲間にする方法
・狐をやっつけること




