美咲ちゃんの回想 ①
ひっさびさに自転車乗った。まぢ疲れた
由宇崎さんとゲームしていたらもう夕方になっていた。
お母さんが来ていたらしく『ゲームもほどほどにしなさいよ』という書置きだけあった。あ、うん。ごめんなさい。
手紙を置いて、私はテレビをつける。
『今日はスイーツ特集です』
スイーツらしい。
スイーツって女子っぽいけどスイーツ食べに行ったりとか私はしたことがないんだよね。二年生の時はA2Oばっかりだったし、高校一年生の時は誰とも話していなかったし。
……まぁ、誰も信じることができなかった。だけなんだけどさ。地衣とはどういう風に仲良くなったんだっけ。
☆ ★ ☆ ★
高校に入学した。
中学は途中で行くのをやめた。中卒認定試験を受けて高校にいっている。珠洲が行ってほしいからと頼んできたのできた。
まぁ、高校も中学と大した変わらないんだろうに。
「嫌だなぁ。行きたくないなぁ」
いったらどうせいじめられるんだ。
いじめられることがわかってるのに自ら行きたいと思えるのは少ないだろう。珠洲も同級生が入学しないところを選んでくれたらしい。いや、一番近くの高校なんだけど。
それでも、いきたくないものはいきたくない。
「美咲。いってみないとわからないでしょ」
「いや、人間なんて気に入らなかったら苛めるんだから私をどうせ苛めるよ。気に入られるような見た目してないし」
「……大丈夫だって。美咲。優しい人ばかりだと思うから」
そんなわけはない。
世の中に優しい人なんているわけがないんだ。そこまで楽観的に物事を捉えることは私には不可能だ。それに、珠洲は警戒心というものがないのか?
正直、私はクラスになじめないだろう。だっていじめられるんだからさ。
「……気に入らなかったら私学校辞めるから」
「……うん」
時間の問題だと思うけど。
学費を払ってくれたお母さんやお父さんには申し訳ない。けれど、私をいじめるような人がいる学校で何かを学べるとは思えない。
そして、入学式を迎える。
校長が話し、新入生代表の人が前に出て話していた。私はあくびをしながらそれを聞いている。興味がわかない。
いや、興味を持つことができない。私が興味持ったものはすべてぶち壊されてきた。理想を抱くのはもうやめた。現実だけを見ていることにした。
理想は理想だ。これからよくしたいといっても、それは理想論。本当にできるわけじゃない。
「どれもこれも詭弁だよ。先輩たちから学びとか何を学ぶのさ」
私は誰に言うわけでもなく独り言をつぶやいた。
入学式だというのに心がウキウキしない。むしろ、不安ばかりが募る。友達なんてたぶんできないだろうからそれはいい。
いじめられないかどうかが問題だ。
由宇崎さんとやっても何のイベントもなかった模様




