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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第九層エリア 【さらなる世界へと】
683/856

由宇崎さん

 病室。私はトランプを持っていた。


「はい、上がり」


 私は6のカード二枚を捨てる。

 同じ病室の方とトランプをしていた。四人部屋なので私一人というわけじゃない。年下っぽい子と20代の方、そして私と同年代の子一人。

 私は骨折で他の三人は病気でだということだった。


「広瀬さん運良すぎ! ジョーカー私のところにきたじゃん!」

「昔から運はよかったんですよ~」


 運はものすごくいい。

 今現在も幸運なほうだと思う。


「私も上がりです」


 と、20歳の方があがった。

 残りは中学生と高校生の子。二人は睨みあう。高校生の子……由宇崎ゆうさきさんが中学生の子……島田さんのカードに手をかける。

 ちらっと見てみるとジョーカーだった。


「これだ」

「残念でした」

「うがあ!」


 ジョーカーを引いた由宇崎さん。

 すぐにシャッフルし、引かせる。今、島田さんは一枚、由宇崎さんは二枚。どちらかがジョーカーだ。

 島田さんはカードに手をかける。そして、引き抜いた。


「上がりッ!」

「負けた……」

「はい、ジュースですね。お願いします」

「ちっくしょう! 覚えてろよー!」


 罰ゲームとして負けた人がジュースを奢るというもの。

 由宇崎さんは走って向かっていった。


「これ、私負けてたら私が買いに行く羽目になってましたね」

「いや、骨折してるんだから歩けないでしょう。金だけもらって買いにいってあげましたよ」

「そうだったんですか?」

「きちんとそこらへんは弁えますから。由宇崎さんがくるまでなにかしてます? 神経衰弱でもしますか?」

「しましょうしましょう」






 トランプを終えて、それぞれのベッドに戻る。

 由宇崎さんは私の隣の椅子に座ったままだった。え、ベッドに戻んないのかよ。


「……暇」

 

 いや、わかるけども。

 暇だからって遊べるわけじゃないんだけどな。


茉莉まつりは本読んでて相手してくれないし! ねえ、私の相手になってよ」

「ええ……」

「ジュース奢ってあげたじゃん!」

「それトランプに負けたからでしょ……」

「おねがーい!」


 と、深々と頭を下げた。

 必死すぎるだろ! しょうがないな。相手してあげよう。


「わかったよ。で、何するの?」

「ふっふーん。これだー!」


 と、出してきたのはヘッドギア。

 ゲームでもするんだろうか。


「一緒にA2Oやろう! っていうかやってる!? やってるよね?!」

「いや、やってるけど……」

「じゃあ決まり! 第九層の王城の前で集合ね!」


 といって自分のベッドに戻っていった。

 仕方ない。私もヘッドギアをかぶり、ゲームをすることにした。超久しぶりにやる気がする。いや、アルテナ様が闇落ちしたときにやってるけど。















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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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