森の探索
全身が凶器のウサギ。
名前は”殺人鬼兎というらしい。触れるだけでダメージうけるので武闘家には向かなさそうだ。
ブレーメンは太鼓をたたく。
「私の音楽を聴け! 心を震わす魅惑のリズム!」
ウサギはそのまま立ち止まる。
コマチが糸でウサギをぐるぐる巻きにした。そして、ゴエモンはその糸を掴み、ぶんぶんと振り回す。そして、ウサギははるか遠くに投げ飛ばされた。
そして、倒したのか経験値が手に入る。だがしかし私はカンストしている。
「とまぁ、ここは魔物と出会う確率がたけえ。抜け出してえんだがどこにいけばいいかわかんねえんだなこれがよ」
「もうかれこれ三時間歩きっぱなしですよ。休憩しようと思ったら魔物が襲ってくるので休む暇もなくて」
「さすがに終わりが見えないってのは堪えるな。戦闘続きで体力が持たねえ」
ゴエモンは少し汗を掻いていた。
三時間ずっと戦っていたのだろうか。移動しては戦い、の繰り返し? うわぁ、大変そう。
「ミキ、なんとかならねえか?」
「うーん。私もここら辺はわかんないしなぁ」
ここがどこで、どういう場所なのかがわからない。
さっきのウサギもレベルは200とカンストしていた。の割には経験値がそこまでなかったけど。だから、ここは一筋縄じゃない場所って言うのは理解している。
くっ……。周辺の地図でも図書館で読んでおくべきだったか。
「まず当面の目標はここから出ることか……」
ゴエモンたちと森の中を歩き回る。が、人里はおろか、動物の姿も見当たらない。出会うのはレベルの高い魔物のみ。
ゴエモン、コマチ、ブレーメンは木の幹にもたれかかって休んでいた。
「強いなこの森の魔物は……。真正面から堂々とやりあうのは死ぬ……」
「そうだね……。私の糸で拘束して動けなくさせるしかないよね」
一人でぶつかるとゴエモンたちは勝てない。
一度やってみたがゴエモンが死にかけ、私が倒した。ゴエモンを回復し、今度は三人がかりで挑んで勝てるという感じだった。
それでもやっとっていうあたり本当に強いんだろうな。あのウサギが簡単だっただけだろう。
今は三人でハメてるだけのゲームだ。それしか勝てる方法がないから仕方ない。ブレーメンの音楽で拘束できる魔物が多いな。
――グルォォォォ!
「……いま何かの叫び声がしませんでした?」
「したな。それも少し近くに」
「……ここは危険だね。あっちから声したし今の道戻ればいいのかな?」
私たちは出会わないように今来た道を戻っていく。
すると、私たちが影に覆われる。上を見上げるとなにかが私たちの上にいた。ドラゴン。紛れもなくドラゴンだった……。
ああ、さっきの咆哮ってもしかして……。
『ご主人様。こんなとこにおられたのですね』
と、聞き覚えがある声。
ゴエモンたちは戦闘態勢をとっているが……。
「……ああ、アクアか!」
なんとドラゴンはアクアでしたか。
アルテナ様とか擁護しようと思ったけどちょっと変なこと言うと展開ばれちゃうような? というか、もうわかってるんだろうか。いや、そこが疑問で七時間しか眠れない。




