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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第九層エリア 【さらなる世界へと】
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コンプレックス

 クッチャクッチャとガムを噛んで風船を作っていた。

 

「私風船できない……。どうやるの……?」

「うーん。感覚だからなー」


 家には帰らずに駄菓子屋などいろいろと案内していた。

 風船ガムを口に含んでぷくーっと膨らませるのが好きなんだ。


「舌で伸ばして空気をぷーっと……。ほら、シャンプーとかで泡出来たら手でシャボン玉作るでしょ? あれと同じようにやってるけど……」


 もっかい膨らませて、弾ける。


「えっと……」

「まず平らに伸ばすでしょ? それで舌でちぎれない程度に伸ばして……それで息をぷーっと……」


 この知識は絶対使わないだろうけど……。

 いらない知識も時には必要だと思います、ええ。必要なんですね。


「あっ、へ、へひはひ」


 「できました」と言おうとしたのだろうが、うまく言えず、そして、ぱあんと破裂した。

 あるある。結構口周りべたつくんだよね。破裂すると。陽菜ちゃんは手でガムを取って口に入れている。

 本来お菓子や食べ物では遊んじゃいけないけれど、駄菓子は遊べるから好きなんだよね。たとえばひもQとかな。あれ好きなんだよ。


「そういえば陽菜ちゃんってたけのこかきのこどっち派?」


 私はきのこかな。たけのこもいいんだけどビスケットが好きなんだ。あのチョコと。うんまいのなんの。


「私ですか? 私は……基本的にはきのこですかね……」


 お、仲間だ。

 珠洲はたけのこなんだよなー。きのこの山のほうが絶対美味しいのに。たけのこも美味しいし、科学的にはたけのこのほうがおいしいというデータだけどそれはあくまでデータ上での話だ。人の好みがあるんだ。

 きのこたけのこ戦争に私は参加しない。


「陽菜ちゃんさ、そんな畏まらなくていいよ? 私だからさ。そんな滅多なことじゃキレないって」

「え、で、でも銭湯のときにキレてたような……」

「大丈夫。巨乳を敵だと思ってるだけだから」

「やっぱりキレるじゃないですかあ!?」


 気にしていることをつかれたら誰だって怒るでしょ?

 コンプレックスなんだよ? 陽菜ちゃんの見た目と同じで。そこをつかれるとマジで……うん。小さい子相手だったら怒れないから多分家帰って拗ねるな……。


「そりゃおっぱいは気にしてるんだからキレるよ。見せびらかされたらちょっと気にするよね。コンプレックスなんだ」

「あ、ご、ごめんなさ……」

「まぁ、成長とかあるだろうし私はたぶん遅い方んだよ。うん。そういうことにしておいて」

「は、はい……」

「だからいいよ。気にしないで。仲よくしよう?」

「う、うん……」


 と、陽菜ちゃんは照れながら微笑んでくれた。

 可愛かったです。














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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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