桜舞う、それを止めることはできない ⑥
大砲をうまく利用し、そして、相手の体力がとうとう0になった。
桜が散っていき、木が枯れる。黒ずんでいって地面に倒れた。
「つ、疲れた……」
「まったくですねご主人様……。怪我もたくさんしてしまいました」
一番怪我をしたのはアクアだ。
治してるとはいえ切り傷が至る所に残っている。
「と、あれ、角材?」
桜の亡霊の倒れた姿が残っているところには角材があった。それもたくさん。これ生産アイテムだな……。となると、周回もできそうではある。
周回するの嫌だよこれ……。素材を集めて木工場に持っていけば武器や家具にしてくれるという。
「とりあえずこのモンスターのことを調べてみましょう」
もし次やるとしたのなら……。この情報を参考にしていればいいはずだ。
アクアをマツリ邸に預けて、図書館に行く。植物系の魔物だよなたぶん……。なかったらアンデッドの図鑑を見るんだけど。
Sランクらしいから後半のほうに……。あった。
「名前は桜の亡霊。
かつて戦争が起こった場所に咲く桜。死んでいった兵士たちの恨みが桜となり花を咲かす。桜には儚く散ってしまったという死んだ兵士たちのメッセージも含まれているのではないかとも言われている。
桜が生えている場所には兵器が置かれているのだ。なぜだかはしらないが自分たちで使おうとでも思い持ち去ったのではないだろうか」
声に出して読んでみる。
戦争が起きたところに生える桜。桜の亡霊というより亡霊の桜っていったほうが正しいような気もする。
「花びらや根っこには毒があり、ピンチになると花びらに接触毒を含ませダメージを与えるが、地面に数十分ついていると成分が分解されてしまう」
なるほど。少し待ったらあの地面から舞い散る桜もダメージを受けないようになるのか。
「弱点属性は火と光。アンデッドでもあるために光魔法にも弱い」
アンデッドでもあるんだ。やはりか。
戦争で死んでいった人の無念が桜となり、人を襲う。恨んでいるのかもしれないな。戦場に送り出した自国の王を。
招集されたら行くしかないのだから。望まなくとも行くしかないから。
なんだか、可哀想に思えてきた。
「戦争ってやっぱり怖いね」
「昔の日本もこういう感じでしたからね……」
「ちょっと考えさせられるよこの図鑑。モンスターの説明も案外いろいろあるんだね」
図鑑を閉じる。
ゼウス様が王になり、少しずつ国は豊かになっている話を聞く。豊かになっていく国はどんどん他の国へ侵攻していくということもあり得ない話ではない。物資も充実している今がチャンスなのだから。
ゼウス様に関してはそういうことないだろうけど……。
「とりあえず、もう夜遅いのでログアウトして眠ります。おやすみなさいです」
「うん。おやすみなさい。あと、ごめんね」
「いいですよ」
私はログアウトして、布団をかぶる。
桜……。見たいな。今5月だけど。
戦争で亡くなった無念の怨念がその場咲いていた桜に宿ったのか、それとも怨念自体が桜になったのか。どちらかは判明していません。
で、ついでに図鑑説明を見ると戦争が行われていた地域で咲きやすいといっている。裏を返せば戦争が行われていたところを調べれば咲いているという事実。
あと、明日の更新は不可能でした。すいません。
明後日は多分投稿する




