桜舞う、それを止めることはできない ④
やっと半分くらい削れたかと思った矢先だった。
根っこが絡みついていた魔物の上に桜が舞い散る。私の上にも舞い散っていた。ひらひらと地面にゆっくり落ちていく。
桜は私たちを殺そうとしているなら、こんな隙をわざわざ与えるだろうか……?
と、ふとステータスを確認してみると自分の体力が減っていることに気が付いた。それも、結構速いペースで。
毒を食らっている様子はない。根っこにもなにも触れてないし……。考えられるとしたら今降ってる花びら……。
……げっ。
「ソゥ様! 逃げてください! 花びらに当たるとダメージが!」
「だね。ちょっと体力がやばいかなぁ」
じわじわと削れていくのならまだゴリ押せたかもしれない。けれど、減りがこんな早いのなら無意味だろう。
桜の樹はどんどんとでかくなっている。その分桜が降る範囲が増えているわけで。遠くに走っているけれどまだ私たちには桜が降り続く。
「なにこのボス。どうしたらいいの?」
「桜をどうにかしないとダメそうだね……」
舞い散る桜に当たるとダメージを受ける。
囮作戦も囮がすぐに死にそうなので意味がないだろう。あの舞い散る桜吹雪の中をかいくぐるのはさすがに無理だ。
使えそうなのは上昇気流だけだ。けれど、それだと根本的なものは解決しない。上昇気流でずっと浮かせるとなっても地面には花びらが残っている。それも舞い散ることとなるとそれでもダメージを受けそうだ。
「燃やすっていってもキリがないしね」
「魔力が豊富だからと言って無限に続くわけじゃないですからね」
きついなぁ。
まだ情報量が足りない。
アクアはその木を足でわしづかみし、そのまま空中へ飛んでいく。木は暴れ、抜け出そうと必死だった。高いところから落とされるのも転落というダメージがあるので水がきかないアクアでは有効な攻撃手段でもある。
地面に思い切り叩きつけられた桜。
ん? ダメージ量が少し多い? 物理耐久はそれほどないのか? でもそれでも近づかないといけないという問題があるし違う。
「でも、攻撃されてる最中は桜降らなかったな。もしかすると大きな攻撃をしてると降らないのかも」
だけどそれがどうだっていうんだろうか。
大きな攻撃はその分消費MPもある。私ならまだしも他の人ならそうぽんぽん打てるもんじゃない。だから現実的じゃないな。
やばいな。攻略方法がまるでわからない。
「無理そうかな……」
「どう攻略していいのか悩みますけど、勝てないわけじゃなさそうです」
むしろ、勝てる希望はあるといえばある。




