桜舞う、それを止めることはできない ①
真野ちゃんが買ったプレゼントを手渡すと二人は大喜びしていた。が、もう夜で、終電で家に帰るっていうことらしくて駅までお母さんが送っていった。
私は一人部屋にいると、真野ちゃんから連絡がくるのだった。
『プレゼントは喜んでもらえた?
あ、それとミキちゃんに相談があるからA2Oにログインできないかな?』
と言われたので、私は速攻ログインした。
ログインして真野ちゃんが取っている宿に行く。
「ごめんね。封印してるっていう話なのにさせちゃって」
「いいですよ。真野ちゃんのためならば」
真野ちゃんが望むならば私はなんでもやります。
それにしても、真野ちゃんの相談事とは何だろう。すると、頭にアナウンスが響いてきた。
《ソゥさんからクエストヘルプ要請が届いております》
クエストヘルプ要請。アプデで追加されたもので複数人でクエストをやるためにはこれが必要となった。人数確認のためだろうけど……。
そのクエストの内容を見てみる。名前は”桜舞う、それを止めることはできない”というクエスト名だった。どういうことだろうか。何このクエスト……。
「そ、その…探索してたら自然の神と名乗る人が来て派生進化しちゃってさ……」
「は、派生進化?」
「うん。精霊王から自然神になったんだけど……。そ、それはおいておいて。このクエストね、実は討伐クエストなの……」
「自信ないから手伝ってほしい、そういうことですか?」
「うん。無理かな?」
「いえ、余裕です」
その前に派生進化っていうものが気になる。
もしかして進化先は一つじゃなかったのか? アルテナ様だからこんな進化しただけでアルテナ様以外だったらもしかしたら……。
精霊王の進化先は精霊神だけだと思ってたけど違ったようだ。
「アクアもいますから戦力は十分ですね」
アクアは屋敷でランティスと戯れている。
アクアに声をかけてランティスはマツリに預けて……。アクア嫌がるかもしれないけどやってもらうしかない。
この世界に私のNPCの仲間は大半くることが不可能だからね。ベルゼブブ、クロックはもしかしたら可能かもしれないけど……。ハーメルンとか呼ぶことができない。
だから呼べる戦力は呼びたい。ミカエルとルシファーも呼んでおこう。
「ごめんね。自然神になったことでこれ強制らしくてさ。私の代わりに倒してほしいっていって逃げられたんだよ」
「倒さなかったらどうなるかとか聞きました?」
「王都が滅亡する……とか」
なるほど。それは放置できないな。
それならワールドクエストになってもおかしくないだろうけど……。だけどまあいい。戦うか。久々の戦闘だしちょっと腕訛ってるかなぁ。
ひっさびさのA2O回




