朱音と珠洲とクラスメイトと… ②
勉強会は進まず、朱里ちゃんと未来ちゃんはあたまを下げてきた。
「ごめんね」
と、謝ってくれる。
いや、私はいい。別に気にしてないし、二人はただ見てただけだったし。止めるにも止めれないというのはわかるんだ。逆らったら今度は自分かもしれない。その恐怖心があるのもわかる。
だから、謝る必要はない。
「いいよ。謝らなくても。それより、勉強しようよ」
「あ、そうだね。……つかぬことを聞くけれど美咲ちゃんって学年順位なんぼ?」
「トップ」
そういうと、二人が頭を下げてきた。
「勉強を教えてください」
頼まれたからにはやるしかないな。
私が座って早くやろうと促す。二人は座って教科書を開いた。
「もうマヂ無理……」
珠洲がへたり込む。
「勉強できなくてもいいよ。将来はお嫁さんになるって決めたんだし」
「……家事できないくせに」
「……私もできない」
「私も……」
「りょ、料理ならちょっとやったことあるだけだなー……ははは」
え、みんな家事出来ないの?
料理とか普通に作れるでしょ? いや、将来自炊するとなって総菜で終わらせるのはちょっと味気ないよ?
それでいいのか!?
「たぶん家事できるのこんなかで美咲だけだと思うよ」
「……少しは特訓しなさいよ」
「「「「ごもっともです」」」」
大事な時に困るからね。
洗濯ができないとかなっても私駆け付けられるわけじゃないし。洗剤と柔軟剤間違えたとか平然とやらかしそうで怖い。
掃除もまめにやらなさそうだしな。特に珠洲。珠洲は実際私が掃除しているわけで……。おばさんからお小遣いという名の給料もらってるけど一人暮らしするときとかどうすんだよ。
「……ちなみにみんな最低限これは作れるってものは?」
「私は目玉焼きぐらいだけど」
と、朱音が答える。
目玉焼きはまあ許せる。それから学んでいけばいいんだ。
「私は卵焼きならうまく作れる自信あるよ」
と、朱里ちゃんが答える。
卵焼き。まぁ、それ造れたら大方慣れたら作れるだろう。
そして、未来ちゃんが口を開いた。
「そ、その、卵かけごはんなら……」
「それ、料理じゃない……」
ホカホカご飯に卵と醤油をちょっと垂らして混ぜてはいおしまいって感じだからね? つーか、卵かけごはんならだれでも作れるし!
いや、ガチで美味しく作ろうと思ったら卵黄と卵白分けて別々に泡立ててやるんだよね。たまにやってる。メレンゲまで混ぜるのが面倒だけどやってると意外と楽しいのなんの。
「……勉強もダメ、料理もダメって。とりあえず目先の問題を片付けなくちゃいけないけど高校三年生になってやること多すぎるでしょ……」
「美咲が異常なんだよぅ。なんでそんなにできるのさ」
「勉強はあれだよ。中学の時は高得点とって見返してやろうとあがいてたからそれで勉強ができるようになったんだと思う」
あれ以外、対抗する方法はなかった。
今となってはむなしい努力だったけれどね。
「……私たちのおかげだな」
「誇るな。やったことは褒められたことじゃないんだよ」
「そうだよね朱音……」
いや、笑い話にしていいんですよ?
本日未明、マヨネーズ総帥の死体が発見されました。現場にはダイイングメッセージで「貧乳に殺された」と書かれており、貧乳は誰を指しているのかを警察は捜査中です。
あ、こら。君、カメラに映りこむんじゃない。こら、ダイイングメッセージを消すんじゃない!




