朱音と珠洲とクラスメイトと… ①
昨日、中学生の時の女子たちと少し話した。
案外話せるものだったし、謝ってくれたのでちょっと嬉しい。みんなとは言わないけど、いい方向に変わっていっているのかもしれない。
「ごめん」という声が聴けるのもちょっと嬉しいもんだなぁ。
「あの、嬉しそうにしてるけど厳しさは全く変わらない……」
私はおばさんに勉強を見てあげてくれと頼まれたのだった。
珠洲が朱音の家で勉強をしていた。朱音も教えてほしいと頼んできたので構わない。
「やっほー、朱音ー、遊びに……」
と、その時リビングの扉が開かれる。
入ってきたのは中学生の時の同級生だった。名前忘れたけど。
「って、朱音真面目に勉強してる……。葉隠ちゃんも?」
と、二人を見て驚いていた。
私にはまだ気づいていない。名前なんだったっけなぁ…。喉まで出かかってるんだけど……。意外と薄情なのか? 私って。
名前を思い出そうと見ているとこちらの視線に気づいた。
「なにじろじろみてんの」
「……あっ、すいません」
「……あっ、君たち遊びに来たの? 遊ぼう遊ぼう。私も遊ぶから……」
「おい」
珠洲が友達が来たから仕方ないという風にしているけれど、この子たちは朱音の友達だろう? なに逃げようとしてるんだ。
私は珠洲の頭をわしづかみにする。
「痛い痛い痛い! 悪かったよ逃げませんから! 痛いのでやめて!」
「…………」
昨日は私のいないところでおっぱいを神に供えたからないとか言いやがって……。神にささげたわけじゃない。神が私くれないだけ。きっといつかはくれるんだよ。
捧げてなんかいないぞ。
「未来に朱里。一緒に勉強する?」
「うんするする。うちらまじでやばいから」
「赤点ぎりぎりだしね」
……そうだ未来と朱里って名前だった!
「それより朱音。葉隠ちゃんをわしづかみにしてる子誰なの? めっちゃ可愛くない?羨ましいんだけど」
「それ思った。可愛いよね。ぺろぺろしたい」
「……気づかない?」
「え?」
「え?」
と、二人もこっちをじろじろ見てくる。
やめてよ。見ないでよ恥ずかしい。私は恥ずかしくてわしづかみにした手を緩めた。珠洲はほっとしたように一息つく。
まだ完全に許したわけじゃないんだけど……。自己紹介したほうがいいのかな。
「あ、久しぶり。広瀬 美咲です」
そうぺこりとお辞儀した。
「「え」」
二人は固まっていた。
で、今苛められています。
「何言ってんの? 美咲ちゃんにはおだんご似合わないっての。こう、ゆるふわパーマ的な感じが小動物を匂わせて可愛くなるんだけど?」
「譲れないね。私のマイブームは「おだんごギャル」なんだよ。『あたしがあなたのファーストキス奪っちゃおうか?』と瑞々しい唇を向けて言ってもらいたい」
「妄想は頭の中だけにしろ!」
朱里さんに髪型を変えられました。
肩までぐらいしかない髪がおだんごにまとめられていた。なんか変な気分だ。けれど、おだんごの形もいいしちょっとスースーするという感じだ。髪は弄ったことないし伸ばしたら適当に切られるしでショートにしてたけど髪型変えるのも意外とあり?
「さぁ美咲ちゃん。私に馬乗りになるんだ! そして、決め台詞の『まだ処女なの? だっさーい。なら、うちがあなたのはじめて、もらってあ・げ・る』と、唇を潤ませて……」
「おいやめろ! うちの美咲を変な道に引き込むな!」
と、珠洲が私を引っ張る。
私は何が何だかわからない。けど、なんか朱里ちゃんがやばそうだということは察した。というかさ、一つ言いたいんだけど……。私に集まる人って同性愛する人が滅茶苦茶多くない……?
百合過多
花園さん、美鈴、朱里ちゃん、ジャンヌ。うわぁ、モテてるね(女性に)




