閑話 グループ
私は中学の女子のライングループに葉隠ちゃんを招待した。葉隠ちゃんはみさの味方だから……といれないでいた。けれど、仲直りはできたと思うから。
葉隠ちゃんが参加しましたと表示される。
『朱音どうしたの? 葉隠ちゃんを誘って。いれないんじゃなかったの?』
『女子グループっていいながら二人参加してなかったし片方参加してないのもちょっと……って感じだったけどどういう風の吹きまわし?』
と、女子のグループも私の行動がわからない人ばかりだった。
すると、葉隠ちゃんからグループにメッセージが送られる。
『和解した。今では仲良くなってるよ』
といってちょっとうれしかった。
『まじで? じゃあ仲良くしていいの!?』
『葉隠ちゃん! 美咲ちゃんがなんであんな可愛いのか教えてよ! いや、ガチ目に』
『ねえ、美咲ちゃんどうしてる? 私たちがしたことで落ち込んでたり……しない?』
他のみんなは言いたいように言っていた。
女子グループでもみさのことは話題になっていた。悪いことしてたなって言っている子も多く、私がやってきたことが悪かったと、思えた原因の一つ。
すると、通話が始まった。通話に参加している人も結構いた。
葉隠ちゃんも参加していたのだった。
『それでそれで? 美咲の可愛さの秘訣はよ!』
と、誰かがせかす。
『ああ、美咲はね、おっぱいを神様に捧げたから……って、え、美咲? いつのまに後ろにいたの? え、あ、いや、今のは言葉の綾で……』
『殺すぞ』
『ひいいい!?』
と、ぼこぼこにされている音が聞こえる。
みさっておっぱいないの気にしてるっぽいな……。触れないでおこう。殺されたらたまらない。私は心の中で葉隠ちゃんの無事を願った。
『凄い音してるけどなにがあったの!?』
『へ、返答しろスネーク! じゃない、葉隠ちゃん!』
葉隠ちゃんの声は聞こえなくなった。
だけれど、違う人の声が聞こえてくるのだった。
『もしもし。誰かわからないけど珠洲なら今お母さんに連れていかれたよ。かけなおすならまたあとに……』
みさの声だった。
呆れたような声だった。そういえば葉隠ちゃん勉強がやばいとか言っていたような気がする。勉強してないで通話してたんならそりゃ怒られるけど……。さ、誘ったうちら側に問題があるというか……。ご、ごめんね葉隠ちゃん。
『あ、妹さんですか? ごめんなさい。邪魔したみたいで』
『……妹じゃなくて幼馴染です』
『葉隠ちゃんの幼馴染? って、もしかして美咲ちゃん!?』
『……はい。そうですが?』
誰だかわかってない様子だ。
覚えられていないのかもしれない。いや、あんなことをしていて覚えておけというのは酷な話だろう。本人は忘れたい過去なのだから。
「みさ。通話相手は中学生の時の同級生だよ」
『朱音? あ、そうなんだ』
と、軽い声音だった。
『そ、その、いろいろとごめんね? 悪かったよ中学の時は……』
『そ、その、私も。ごめん』
と、次々と謝っていく。みさの声が聞こえなくなった。切られた……? と思っていると「あ、ごめん」と聞こえてきた。
『謝るのはいいよ。気にしてない』
みさの声はなんだか軽かった。
今日の原田のことは忘れたんだろうか。それならいいんだけど。でも、原田をこのままにしておくわけにもいかない。
だから、私は相談するために葉隠ちゃんも入れたんだ。
『過去のことだし朱音にも謝ってもらったしそれで充分だよ。うん。謝らせるようなことでごめんね』
『謝る必要ないよ!』
みさはやっぱり優しい。
だから、その優しさに報いたい。
「みさ。ゲームしないの?」
『……今ちょっと珠洲に呼び出されたから来ただけだしもうそろしようかな。じゃあね』
と、葉隠ちゃんのアカウントが消えた。
私は息を吸う。
「ねぇ、みんな。相談があるの――」
原田を、このままにしておけない。
反省したから偉い、しないから悪いんじゃない。また、みさにトラウマを植え付けちゃうかもしれないから……。今日みたいなみさの顔。見たくない。
だから、償い……とまではいかなくても原田をどうにかしよう。
ミキに聞くがその豪運は無償で手に入ると思っていたのかね?
ミキのおっぱいを生贄に容姿を召喚!
やめて!ミキのおっぱいはすでに0よ!
これ以上やると殺される…




