大人びた彼女たち
暗い雰囲気になって私は家に帰る。
――今日ぐらいは解禁させてもらおう。
私はヘッドギアをかぶり、ベッドに寝転がる。そして、A2Oにログインした。
私の目の前にはシズクとリリエがいて、私を覗き込んでいた。「目が覚めた!」といろいろはしゃぎまわっている。
そうだよね。結構な期間ログインしてなかったしこのゲームでは何日経っているんだろう。
「って、シズクたちめっちゃ背伸びてる」
小学一年生くらいの身長だったはずが小学三年生くらいになっているような……。そんな気がする。
でも、今の私はそういうことを気にする余裕もない……。いやなやつ。会いたくなかった。勉強に集中できなくて私は先に帰ることになった……。
「……目が覚めましたか。長い時間眠ってらしたので心配していたのですよ」
「ごめん」
「いえ。疲れがたまっていたのでしょう。ミキ様はものすごく働いておりましたし」
と、マツリが笑う。少し大人びた感じがしている。
何年たったんだ? ここまで成長するものなのか……? いや、アプデで時間経過は現実世界と同じになったといっていたはずだ。その代わり、昼夜逆転した世界に行ける塔があって……という感じだった。
だからこの世界は一週間しか経ってないはずなんだけど……。
「……なんかあったの?」
「ふぇ?」
「いや、みんな大人びてるし……」
「ああ、シズク様とリリエ様は一週間で急な成長期が来たのです」
成長期凄い。
「私は……とうとう学園の入学が決まりましたから」
「学園?」
「貴族の御子息が通う学園です。まぁ、学園とは名ばかりで社交場みたいなものですけれどね。ですがやはり同年代の方と触れ合えるのは初めてなので大人びた感じにしたいなって相談したんです。髪型とか変えて……大人っぽいでしょう?」
なるほど。髪型が変わったら印象も変わる……。
私も髪伸ばしたら印象変わるのかな? 今度伸ばしてみようかな……。前髪だけ切って……。
「まぁ、貴族もこの前の神の粛清もあり、数は相当減っておりますが……。それでも私今まで辺境にいたので同年代の方と触れ合えることもなかったんです。楽しみで……」
と、舞い上がっている。
まぁ、まだ幼い子供だから仕方ないかもな。見た目は高校一年生だけれどまだまだ子供よのぅ……。まぁ、貴族は縦社会とか激しいだろしそれこそ舐めた口聞くならとかありそうで怖いけれど。
人間なんて、どんなことでもいじめる理由にはなるからなぁ。
「……さてと」
私は立ち上がるとマツリ様がどこへいくかと尋ねてきた。私は「冒険者ギルド」と答えて、私は向かうことにした。
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誰も私を殺せない
また新作書きました。一読していただけたら幸いです…。
何書いてんだ作者ァ!




