将来の話
珠洲と真野ちゃんは将来のことを考えてA2Oにそれほどログインしなくなった。
珠洲は「背に腹は代えられないし、少しの辛抱だ」と言っていたけれど顔は全然笑っていなかった。なので、ログインしているのは私だけなんだけど……。
こう、周りの受験生が勉強している中、私だけゲームするっていうのもなんだか申し訳ない気がする。
なので、私もなんとなく珠洲と一緒にA2Oから離れることにした。口惜しいけどなんだか申し訳なさがものすごくある。
正直言って学力には何の問題もないし、する必要はぶっちゃけない。ただただ私一人で楽しむのも申し訳ないから……。
「今年の夏休みは勉強漬けになりそうです……。学力が足りないって先生に言われた!」
「文系にしぼったから理数系は捨てれるけど、社会だけダメなの……」
喫茶店で私たち四人話し合っていた。
メンバーでいうと私、珠洲、真野ちゃん、そして真綾。真綾も同い年なので今年受験を控えている。だけど真綾は焦った様子もなくアイスコーヒーを飲んでいた。
「真綾ちゃんは楽勝なの……?」
「まぁ、モデル業の合間とかでいろいろ勉強してるしそれなりにはできる方だとは自負してるけど」
勉強できる組とできない組に分かれた。私と真綾が勉強できる組、真野ちゃんがちょっとできる組、珠洲が全くできない組。
正直、珠洲に関しては本当に無謀な挑戦だったりする。根本的な学力があれなので本当に今からやらないと間に合わないって感じ。今やっても間に合うかは保証できないけど……。
「……というか、ここで駄弁ってる暇あるなら勉強した方が」
「……真綾ちゃん。それは言わないお約束」
「……すいません」
そう。本来、こうやって話してる暇があるなら勉強していたほうがよかったりする。
「美咲は余裕でしょ」
「まぁ、学力はね」
問題はどこに行くか、なんだよな。
「ねぇ、私にお勧めの職業ないかな。なりたいものもなくてさ。私は何に向いてるか教えてほしいんだよね」
というと、三人は息を合わせたかのように「教師」と答えた。
そこまで向いてるとは思わないけれど……。
「意外と勉強教えるの得意だし」
「面倒見もいいからね。教師になるといいよ」
「それに、美咲優しいし」
……そうだろうか。
うーん。なら教師を目指すというのもありだし、親はとくに反対もしなさそうだし。将来は教師……になるかな。
正直めっちゃくちゃ不安だけど。
「真綾はなにするつもりなの?」
「私? 私は……モデル……。と、女優にもなりたい」
「私に憧れて?」
「それもあるけど……。でも、モデルだとしてもいつまでも食べていけるわけじゃないし、かといってOLとかには絶対なりたくないから女優を目指してみようかなって思ってるだけ」
まぁ、モデルって若さも大事だからね。人間誰だって年を取るし真綾の人気もすたれていくだろう。だからこそ新たな収入源がほしいんだろうな。
「まぁ、私の将来は正直不安定な賭けみたいなもんだよ。売れたらそれでいいし売れなかったら無駄だし。不安しかないけど、私はこれしかできない」
「……真綾」
真綾の生きざまってかっこいい。そう思いました。
本日この一話!のみです!




